「健康に良い水」を売る“水商売”にはご注意ください!【水道水編】


水道
過熱する 「水素水」が、限りなくニセ医学に近い』という記事には敬服しました。世の中に受け入れられているものに対して異を唱えるということは、勇気が要るものだからです。ぼくはこの記事に対して全面的に同意します。同意したついでに、“水商売”全般について、さらに輪を掛けて書いてみたいと思います。

“水商売”といっても、スナックやキャバレーのことではありません。文字通り、水の商売です。コンビニの一角を占めるミネラルウォーターにはじまり、アルカリイオン水、還元水、πウォーター、波動水などなど、いろんな水が売られています。これらの水は「健康に良い」と宣伝されることがありますが、その言い分のほとんどは科学的ではありません。

科学的ではないにせよ、特段の害はないでしょうから、気に入っておられる人はやめる必要性もありません。実際に、これらの水を飲んで病気が治る場合もあります。これをプラシーボ(プラセボ)効果といいます。医薬品のように必ず効くものではなく、人によっては効く場合がある効果です。

片頭痛で苦しんでいる人に、医師が「これはよく効く薬です」と言って、ただのメリケン粉を処方しても、それを飲んでケロッと治ることがあります。これがプラシーボ効果です。プラシーボ効果の原理は分かっていません。とにかく、物理学的、化学的には病に効くものではないのに、症状が改善してしまうのです。人間の精神が肉体に影響を及ぼす例です。

ですから、医薬品と認められるためには、二重盲検法という厳格な検査を必要とします。医師にも患者にも「どんな薬か」ということを一切知らせずに、特定の症状に効果を発揮するかどうかの臨床試験を行なうことが、二重盲検法です。プラシーボ効果で効いているかもしれないという可能性を排除するためです。こういう厳しい試験にパスしたものが、薬として認定されるわけです。

現在、最も安全・安心な水は水道水です

話を戻します。水道水は危険だと思っている人が多いです。「健康に良い水」を売る“水商売”の人たちが、水道水が危険であると煽った結果です。しかし、実際にはそんなことはありません。現在のところ、日本国内で最も安全で安心な飲料水が、水道水です。

水道法というものがあって、一般細菌、大腸菌、残留塩素濃度、トリハロメタンなど計50項目がチェックされて、基準値が守られています。水道の蛇口から出てきた水は、安心して飲める基準に保たれているのです。

唯一、トリハロメタンが心配の種といえるでしょう。これは発がん性物質です。むろん、水道法の基準が守られている限り、がんになることはありませんが、「発がん性物質」と聞いただけで嫌な思いがするものです。しかし、基準濃度のトリハロメタンならば、がんになりません。

ダイオキシンという物質も発がん性があることで有名ですが、実はこれなどは空気中にウヨウヨしています。私たちは呼吸するたびにダイオキシンを吸っています。しかし、それが原因でがんになることはありません。濃度が薄いからです。猛毒であっても濃度が低ければ、決して害にはなりません。

そもそも薬というものは皆「毒物」です。濃度が低いので人体に害にならず、体内の細菌などを殺すだけにとどまるわけです。濃度が低いということは、毒物でも益にすらなるわけです。

トリハロメタンの半致死量(2分の1の確率で死ぬ量)は63gですが、ビアジョッキ大で4杯の水道水を一気飲みしても0.12mgしか体内に摂取されません。半致死量の1/525,000しかないのです。

こういう数値に慣れていないと、本当に安全なのかどうか分かりませんね。分かりやすい例で比較します。

カフェインの半致死量は14gです。コーヒー1杯を飲んだら、カフェインは80mg摂取されます。むろん、これくらい摂取したって死にません。半致死量の約1/175ですから・・・。これくらいで死んだら、喫茶店で死者続出です。

つまりは、ビアジョッキ大で4杯の水道水を一気飲みして摂取されるトリハロメタンよりも、コーヒー1杯で摂取されるカフェインの方が3000倍も危険なのです。3000倍も危険なコーヒーを毎日飲んでも死なないのですから、水道水のトリハロメタンで死者が出ようはずがありません。このようなわけですから、水道水中のトリハロメタンは危険ではありません。

塩素が危険と考える人もいますが、塩素などはトリハロメタンの毒性に比べたら微々たるものです。水道水中の塩素は全く安心です。ちなみに、塩素と有機物とが結びついた物質がトリハロメタンです。つまり、塩素が危険というより、塩素からできたトリハロメタンが危険だということです。

どうしてもトリハロメタンが気に掛かるなら、ふたのない容器で10~20分ほど沸騰状態を続ければ、完全に揮発してなくなります。その後、冷やして飲めば、完璧に安全な水になります。

二重構造式の浄水器をうまく活用しましょう

10分も沸騰するのは面倒だけれども、どうしてもトリハロメタンは除去したいというのならば、浄水器をつければ良いです。ただし、活性炭とマイクロフィルター(中空糸膜)の二重構造になっている浄水器でないとダメです。昔は活性炭だけの浄水器が多かったのですが、今はほとんど活性炭とマイクロフィルターの二重構造式のものばかりですので、どのメーカーの物を買っても大丈夫だと思います。一応、念のため買うときに二重構造式かどうか確認してみてください。

ちなみに、わが家も二重構造式の浄水器を使っています。

水道管が旧式の場合は鉛管が使われていますので、鉛が溶け出す可能性があります。いまだに鉛管が使われている割合は、2014年3月末時点で香川県の37.56%を最高に、20府県で10%以上だそうです。鉛が含まれている水を飲み続けると、消火管・神経系・腎臓などの障害を引き起こす場合があります。この鉛も、上記の二重構造式の浄水器で除去できます。

ご自宅の水道管が鉛管かどうかは、市役所や施工主などに尋ねれば分かると思います。もし鉛管が使用されているならば、念のため朝1番の水道水は飲まないことです。長い時間、水道管の中にたまっていた水は、流れていない分、鉛が溶け出す可能性が高いからです。

蛇口をひねって勢いよく水を流し、バケツ1杯ためてください。バケツの水は、ぞうきん掛けやトイレの水などに使ったらよいです。飲み水には、バケツにためた後から使えば安心です。旅行などで留守にしたときは、バケツ2杯くらい取るとよいでしょう。むろん、これも慎重に慎重にした場合であって、浄水器を付けていれば基本的には大丈夫です。

あとは、浄水器の使用マニュアルをよく守ることです。定期的にカートリッジを交換しないと、逆効果になります。使っている間に、だんだん物質を吸着する働きが弱くなるからです。何も吸着できなくなるばかりか、最終的には吸着していた物質が流れ出してしまい、元の水道水よりも汚れてしまいます。

また、何日か浄水器を使わないでいると、浄水器の中で細菌がどんどん繁殖してしまいます。何日か後に使用するときは、1~2分間水を流してから飲むようにしてください。このように、多少の注意は必要ですが、市販のミネラルウォーターよりも段違いに安心・安全なものが水道水です。

「え? ミネラルウォーターは水道水より危険なのか?」と驚く方もいるでしょう。ミネラルウォーターについては、次回詳しく説明いたします。お楽しみに。

最後に、おいしい水について。厚生労働省が研究した結果、おいしい水の第1の条件(かつ最大の条件)は、温度でした。20℃以下、理想的には8℃~15℃くらいです。よく冷えた水ということです。井戸水や山間部の川の水がおいしいのも、よく冷えているからです。水道水がまずいというもの、夏の暑い時期などで水道管が温まってしまったことが原因です。冷蔵庫でよく冷やしたら、たいていの水は、おいしく感じるのです。ぜひ、お試しください。


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