安倍元首相暗殺にみる旧統一教会と創価学会



安倍元首相暗殺から40日が過ぎました。オールドメディアは、警察からリークされた山上容疑者の自供を一切疑わず、調査報道は皆無です。旧統一教会および自民党への批判がメインストリームとなっています。

30年前はオールドメディアしかなかったので、多くの人々はその報道を信じるしかありませんでした。疑っていたとしても、その疑いを発表する場が書籍ぐらいしかなく限られていたので、大きな流れになることはありませんでした。オールドメディアが調査報道をしてくれなければ、国民の知る権利は行使できなかったのです。

調査報道(引用は青字)
あるテーマ、事件に対し、警察・検察や行政官庁、企業側からの情報によるリーク、広報、プレスリリースなどからだけの情報に頼らず(これを中心情報とする報道は発表報道)、取材する側が主体性と継続性を持って様々なソースから情報を積み上げていくことによって新事実を突き止めていこうとするタイプの報道。
(中略)
ジャーナリズムとは(権力者が)報じられたくない事を報じることだ。それ以外のものは広報に過ぎない。
 - 日本外国特派員協会主宰「報道の自由推進賞」受賞者発表文に常に冠される一文

安倍元首相暗殺事件の調査報道は、オールドメディアでは行われていません。しかし現代はインターネットという媒体があるので、事件についてさまざまな疑問・考察が述べられています。国民の知る権利を守る上で、今ではインターネットも重要なメディアになっているのです。むろん、ネット情報は玉石混交で、受け取る側のリテラシーが重要となります。

飛躍や矛盾で信じられない山上の自供

この事件については「真相」を探ろうというムーブメントが起きており、さまざまな説がネット上に飛び交っています。皆さんがオールドメディアの報道を信じていない根本的な理由は多々ありますが、集約すると2つの疑問点が大きいようです。

1つ目は、警察からリークされた山上容疑者の自供が信じられないという点です。旧統一教会への恨みを晴らすために安倍元首相を殺すというのには飛躍があり過ぎるからです。

警察から一応こういうリークはあります。

家庭連合総裁を襲撃計画 山上容疑者、3年前来日に「火炎瓶持って行った」
山上徹也容疑者(41)が、母親が入信している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁が令和元年に来日した際に「襲おうと思って火炎瓶を持って会場に行った」と供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。会場に入れずに襲撃を断念したと説明しており、奈良県警は狙いを安倍氏に変えた経緯を詳しく調べる。

初めは総裁を殺そうとしたが、会場に入れずに断念し、安倍元首相に狙いを変えたというストーリーです。これには皆さん、疑問を感じています。そりゃ、そうです。韓鶴子総裁がどれだけすごい人か知りませんが、しょせん一宗教の幹部です。安倍元首相の警備はプロ中のプロが厳重に行うので、断然狙いにくいはずだからです。

総裁が難しいなら、もっと狙いやすいターゲット(例えば日本の教団幹部)へとハードルを下げていくのが普通です。逆に狙いにくい元首相をターゲットにして、しかも凶器も火炎瓶から手製拳銃にしています。さらにハードルを上げているのですから、おかしいと思うのが普通です。

また、山上容疑者は総裁を狙った時に、手荷物検査などがあるから会場に入るのは難しいことが分かったはずです。それにもかかわらず、なぜ安倍元首相を狙うのに、7月7日にわざわざ会場で演説が行われる岡山まで行ったのでしょうか。あんな拳銃を持って入れるわけがありません。この容疑者の行動も、リーク情報と矛盾しているのです。

対立する奈良県立医大と奈良県警の主張

2つ目の疑問点は、安倍元首相を治療した奈良県立医大の記者会見と、警察が発表した司法解剖の結果が異なることです。以下のとおりです。

【書き起こし】奈良県立医大記者会見全文!マスコミの質問内容や銃弾の位置に相違?
(記者の質問などは省いていますが、煩雑になるので「中略」と入れません。)
来られた際に頸部に2箇所の銃創がありまして、
場所は(首の付け根を指さしながら)、真ん中の所と少し右の2箇所ですね。
その心臓にまで到達する深さという理解いただいたらいいと思います。
その傷が、先ほどお伝えしたように、胸部に心臓大血管に辿り着いたため、その心臓大血管が損傷されたために出血をされた、というふうなことでございます。
(右鎖骨上から左下心臓方向を指差して)方向がそっち方向に向かってたんだと思います。
失血死でいいと思います。
心臓の傷自体は大きなもんがありました。
たぶん、弾丸による心損傷、大きな穴ですね、心臓の壁にあいた穴です。
1つだけ左の肩に別の傷があったんで、そこを射出口といわれるとこだったんじゃないかというふうに考えてます。

一発目の銃声で振り返った安倍氏、左上腕部からの銃弾が致命傷に…司法解剖結果を発表
奈良県警は9日、安倍氏の司法解剖の結果を発表した。左上腕部から体内に入った銃弾が、左右の鎖骨下にある動脈を損傷したことが致命傷になった。死因は失血死だった。
(中略)
県警によると、安倍氏の首にも2か所の傷があり、1か所は原因を特定できなかったが、もう1か所は銃弾による傷だった。県警は、2発目の発射時に、安倍氏が左上腕部と同時に首も撃たれた可能性があるとみている。

奈良県立医大は、銃弾は右の鎖骨上から左下に向かって、心臓を大きく損傷させたことで失血死したといい、左肩から銃弾が抜けたと言っています。しかし、銃撃された時の動画を見ると、上の図のように安倍元首相は山上容疑者に左肩を向けている状態なので、右の鎖骨上から左下の心臓に行く銃創は作れません。

奈良県警は、奈良県立医大が射出口だと判断した傷を射入口だとして、左右の鎖骨下動脈が損傷して失血死したとしています。こちらのほうが銃撃時の状況と矛盾はないですが、じゃあ、奈良県立医大の見立ては間違いだったのかということになります。

しかし、優秀な胸部外科医たちが20人程度は処置していたはずなので、皆がそういった見間違いをするはずがないと、現役の医師は疑問視して、奈良県立医大の見立てどおりであれば近くのビルからスナイパーが狙撃したことになるという説を発表しています。

なんかスパイ映画のような感じですが、現役の医師が銃創から考えて検証し、現場のメタバースまで作って弾道計算をしているので、ぼくも思わず「なるほど」と感じてしまうような説でした。

安倍元首相の死で得をするのは誰?

ぼくも真相が気になるので、暇があればいろいろ考えています。以下、ぼくが漠然と考えていることを書いておきたいと思います。

安倍元首相暗殺の真相を探れ!』でも書いたとおり、普通の殺人事件では被害者が死んで利益を得る者が真犯人というのが相場です。殺害から40日がたった今、誰が、あるいはどんな集団が利益を得ているでしょうか。

誰でもすぐに思い付くのは中国です。これはネット上でも多くの人が言っているとおりです。安倍元首相が中国に厳しい姿勢を貫いてきたことは周知の事実です。ということは、中国と思想・信条・主義・主張が近い人や集団(以下、まとめて左派という)も利益を得るということになります。

念のため注釈しますが、だからと言って左派が暗殺の黒幕だと言っているわけではありませんよ。動機を持っている者を洗い出しているだけです。警察の捜査が曖昧になれば、今後もネット上での調査報道は続くでしょうから、そのための一資料として残しておきたいだけです。

さて、左派が得をするということは、逆に言えば右派(保守派)は損をしていることになります。自民党自体が右派なので、今、旧統一教会との関係でメディアにたたかれて、損をしていますね。

そもそも旧統一教会は共産主義と戦ってきて、その流れの中で自民党と仲良くなったそうです。

田中富広会長の会見(8月10日)
政治に友好団体が強く姿勢を持って関わってきたことは事実です。それは、政治工作のために関わってきたとか、あるいは脱税や霊感商法の批判から逃れるために関わってきたということではありません。私たちの法人並びに多くの友好団体は創設以来、共産主義というものに対して明確に対峙してきました。

従って、多くの民主主義を守ろうとする同志たちと共に、あるいは友好団体と共に、私達はこの日本のあるべき姿に向かって、常に考えながら今日まで方向を共に歩んできました。

今メディアで、私達の友好団体と、あるいは当法人と政治家が関わったか関わらないかが問題視されておりますが、むしろ私達から見れば、共産主義問題に対して明確に姿勢を持っている政治家の皆さんとは、ともにより良き国づくりに向かって手を合わせてきたと思っております。

それは日本国内のみならず、世界的なネットワークの中で、コミュニズムに対して共産主義に対して取り組みを連携を取りながら進めております。

共産主義と戦うという目的であるならば、右派の自民党と近くなって当然でしょう。当然、安倍元首相の死で旧統一教会も損をしています。メディアで、けちょんけちょんにたたかれています。

公明党・創価学会の「中国愛」

自民党全体としては損をしていますが、自民党の中にも左派がいますから、彼らは得をしていることになります。また、自民党と一緒に政権与党となっている公明党も左派ですから、得をしていることになります。

ぼくの次男は公明党が左派だということすら知りませんでした。若い世代の子たちは、ぼくらの世代では常識のことも知らないんですね。下記の高橋洋一氏(元内閣官房参与)の動画で、公明党・創価学会がいかに中国とずぶずぶなのか、分かりやすく解説していますのでご覧ください。この動画の最後の部分を文字起こししました。


07:19~08:50
池田大作さんの主義・主張っていうのは世界平和だけどね。だから今、非常に皮肉だよね。中国の共産主義っていうのが世界の平和の不安定要因になってるんだもんね。それでも、もう50年間付き合ってきちゃったから駄目なんだよね。だから、ある意味では創価学会の「中国愛」っていうのが、私にはカルトに見えますけどね。そっちのほうがね。

だから、あれだよね。今回の統一教会の話なんかも、「統一教会、悪い、悪い」って言ってるけれど、実は共産主義に敵対するっていう意味では、結構まともなところがあるんですよ。でも、そういうのに対して、どんどん、どんどん攻撃してるっていうことは、なんかちょっと変な感じが多少しますけどね。

それで政治と宗教だっつったら、日本における最も政治的な圧力団体っていうのは創価学会だけどね。そこは何にも触れないでね。不思議な感じがしますね。気持ち悪いよね。

共産主義を打倒するようなとか、そういう考え方を持ってる人が、今すごくやられていて。公明党のほうだけは政治と宗教について一切何もなくて。片や、ちょっと統一教会の関係だけある人だけが血祭りに上げられてるっていうのも、ちょっと不思議な気がしますけどね。

なんか全体的に動きが連動してるようなのがあるような雰囲気もちょっとあるから、嫌な感じは多少ありますね。

岡山のジャンヌダルクが自公連立をぶっ壊す

公明党は政権与党にいるから、中国の意向を日本の政治に反映できます。しかし右派の安倍元首相がにらみを利かせていたので、好き勝手にはできませんでした。それどころか、「もう公明党の応援は要らない」と堂々と言う自民党の政治家が現れ、当選までしてしまいました。

公明党=創価学会に“反旗”を翻した自民「小野田紀美氏」が圧勝 故・安倍元首相も評価した岡山のジャンヌダルクの“信念”
遊説中の奈良県・近鉄大和西大寺駅前で凶弾に倒れた安倍晋三元首相も、保守派の雄らしく、小野田氏の応援演説に駆け付けた。それは亡くなる前日の7日だった。故人のツイートをご紹介しよう。

《自民党公認のみで戦い抜く小野田紀美候補。厳しい闘い、彼女の鋼の信念に会場は燃えました。/日本を守り抜く小野田紀美候補に力を!/宜しくお願いします》(7月7日)
(中略)
SNSでは小野田氏を応援する声で溢れた。Twitterのごく一部をご紹介しよう。

《公明とは手を切らなければいけない。頑張れ小野田さん!》

《『脱・公明』の機運を高めて欲しいです/愛国の気持ちを持った国会議員を増やしたいです》

《保守自民・小野田紀美さんは絶対に負けられない!/選挙後公明党とは連立解消してくれ!》

もし公明党が連立を解消されてしまえば、中国のために日本を動かせなくなります。公明党としたら、それは何としても避けたいでしょう。しかし、小野田候補の勝利で「公明党に頼らなくても選挙に勝てる」という思いが自民党に芽生えたら困ったものです。

もし安倍元首相がご存命であれば、連立解消に向けた画策も進んでいたかもしれません。何せ、公明党が連立与党でいる限り、自民党の党是である「現行憲法の自主的改正」はできませんから。

旧統一教会と創価学会、どっちが怖い?

ぼくがもう一つ疑問に思っていることは(ネット上では見掛けない疑問ですが)、山上容疑者の殺害前の行動です。この原稿の初めのほうでも書きましたが、7月7日にリスクの高い岡山の会場に行っていることが解せません。令和元年に教団総裁を狙ったが会場に入れず断念しているのに、なぜまた会場での演説で襲撃をしようとしたのでしょうか。しかも奈良からわざわざ岡山まで行って・・・。

7月7日の昼間は、安倍元首相は神戸の路上で末松信介候補の応援演説をしています。奈良からはそちらのほうが全然近いし、路上なので会場よりも狙いやすいです。

ただし、仮に岡山の会場に入れたとして、安倍元首相だけを殺そうと思っていたのに、小野田候補も巻き添えを食ってしまって不幸にも亡くなってしまったら、公明党・創価学会としてみたらさらに都合がいい結果になっていたでしょう。重ねていいますが、単に損得勘定だけの話ですので、あしからず。

なぜ公明党・創価学会を疑うような目で見るのかというと、それは世間が旧統一教会を見る目と同じです。過去にいろいろ問題を起こしている団体だから、何だかうさん臭いなあと思うからです。

この本を読むと、いろいろ思っちゃいます。

著者は東大で創価学会の学内組織の総合委員長をしていた時代、二十数名の組織を400人までに増やしたバリバリの元信者。公明党比例代表候補として当選した経歴を持つ人物です。

この本で知りましたが、創価学会には「総体革命」という教えがあるそうです。総体革命とは「妙法の大地に展開する大文化運動」のことで、芸術・文化・学術・政治・官僚・法曹・警察・医療・企業など、社会のあらゆる分野でリーダーシップを取るという意味です。

そのために創価学園(中・高)、創価大学があり、創価学園で優秀な人材は東大・京大へ送り、政治・官僚・法曹へと人材を輩出していき、創価学会への利益誘導がなされているそうです。

こういうことを日本国民のどれくらいの人が知っているのでしょうか。今、メディアで盛んに言われている自民党議員と旧統一教会の関係なんて、ままごとレベルです。旧統一教会のイベントに出たとか、祝電を送ったとか、それで国に影響を与えるわけないじゃん。創価学会のほうが、数段レベルが上です。しかも「中国愛」を抱いている団体ですよ。どっちが危険か小学生でも分かるでしょう。

下記のようなことまで言われています。事の真偽は分かりませんが、こういう情報が出てくるということだけでも、注意するに値すると思います。少なくとも旧統一教会よりはね。

創価学会との癒着は警察の汚点 ― 学会員警察官の問題行動も多発
いずれにせよ竹入元公明党委員長や龍元都議会公明党幹事長、そして山崎元創価学会顧問弁護士らが明らかにしているように、創価学会は公明党の政治力を背景に、警察や検察を自家薬籠中の存在とし、学会員らによる犯罪を隠蔽するとともに、その権力を対立する人物や団体を攻撃するための武器として利用している。

警察や検察にも影響を与えられるとなると、奈良県警のいい加減な警備や、容疑者の自供を丸飲みしてオールドメディアにリークしている説明までできてしまうので、背筋がぞっとします。

関西のこの面白いおじさんの説も、あながち見当違いともいえないなあと思えてきます。

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“安倍元首相暗殺にみる旧統一教会と創価学会” への5件の返信

  1. こんにちは。数日前見ましたよ、ニコ動のおじさんの動画を。こちらで紹介されてて、笑っちゃいました。数日前夫婦で見て大笑いしてました。
    でも後で考えたらそういう見方もあるんだなと。
    警察に学会の信者がたくさんいるのがちょっと怖くなってきました。
    自己紹介しときます。私は教会とは最近疎遠にしています。米本さんのブログからこちらに飛んで読ませてもらってます。
    いろいろ勉強になります。

    • コメントありがとうございます。
      米本氏はすごいですね。今『不快な隣人』を読んでいるところです。まじでリスペクトします。
      もし黒幕がいるなら、絶対に暴いてやりたいですね。オールドメディアには期待できないですが、今はネットがあるので、庶民が協力したらできると思います。

      • 返信ありがとうございます。
        安倍さんが暗殺されて、まだ家族葬も終わってないのに、反対弁護団が早速会見してて、その時から変だなとおもってました。段取りが良すぎて。
        マスごみに騙されず、自分に出来ることはしたいですね。

        • ぼくはあの弁護団や、事件を機にテレビに出始めたジャーナリストや学者(有田、エイト、西田、櫻井など)まで黒幕だとは考えていません。「今こそ稼ぎ時!」と躍起になっている守銭奴に過ぎないと思っています。

          • そうですね。私のように勝手な判断や思い込みはダメですね。いろいろまた正しい情報を読んで見守っていきたいですね。

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