新型コロナウイルスで、地球はどうしても人類を減らしたいのだろうか?


新型コロナウイルス感染症(CO-VID19)の死亡率は推定0.66%という論文が、世界5大医学雑誌の1つ『The Lancet』 に掲載されました。

The death rate from confirmed COVID-19 cases is estimated at 1.38%, while the overall death rate, which includes unconfirmed cases, is estimated at 0.66%
確認されたCOVID-19症例の死亡率は1.38%と推定されているが、未確認症例を含む全体の死亡率は0.66%と推定されている。

インフルエンザの死亡率が約0.1%ですから、それよりは高いようです。しかし、当初言われていた「インフルエンザの10倍」に比べると、かなり低い数字になってきています。

ちなみにインフルエンザの年間死者数(関連死を含む)は、世界で約25~50万人、日本で約1万人です。

新型インフルエンザに関するQ&A(厚生労働省)

Q10.通常の季節性インフルエンザでは、感染者数と死亡者数はどのくらいですか。

例年のインフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人いると言われています。
国内の2000年以降の死因別死亡者数では、年間でインフルエンザによる死亡数は214(2001年)~1818(2005年)人です。
また、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する超過死亡概念というものがあり、この推計によりインフルエンザによる年間死亡者数は、世界で約25~50万人、日本で約1万人と推計されています。

新型コロナウイルスの死者は、世界で4万1072人(4月1日時点)、日本で77人(3月31日時点、クルーズ船の乗船者含む)です。インフルエンザに比べると、まだまだ少ないです。そういう意味では「騒ぎ過ぎ」という意見も、あながち見当違いとも言えないでしょう。

インフルエンザよりやや高い死亡率という推定が正しいとすれば、少なくとも世界で25万人、日本で1万人ぐらいまでの死者が出ると覚悟しなくてはなりません。ただし、イタリアやスペインのように、死亡率が10%に迫るのではないかという勢いの国もありますので、世界25万人・日本1万人の死者という推定も当てになるかどうか分かりません。もっとひどい状況も考慮しておかなければならないでしょう。

このような疾病に限らず、自然災害などで多くの人命が失われるたびに思い出すのが「ガイア仮説」というものです。

地球は一つの生命体である


科学、とりわけ生物学の研究が進み、地球の生物たちの生態が明らかになっていくと、学者たちの関心は宇宙へと向かっていきました。「宇宙にも生命体が存在するのか」という疑問は次第に大きなものとなり、ついには地球から最も近い惑星である火星を調べてみようという計画が、NASA(アメリカ航空宇宙局)によって進められることになりました。

この火星生命探査計画の中心となったのが、イギリスの生物学者ジェームズ・ラブロックです。ラブロックの仕事は、まず生命の定義から始まりました。

もし火星に生命体が存在するとしても、地球に存在する生命体と同じような形状をしているとは限りません。例えば、見た目は石でも、それが火星の生命体であるということはあり得ます。従って、「生命体とは何か」という定義がきちんと成されていないと、火星に生命体が存在する、存在しない、といった問題を論ずることすらできないのです。

しかし、それが高尚な哲学的定義になっても困ります。あくまでも火星探査に役立つような定義でなければなりません。こういった事情を踏まえてラブロックが定めた生命体の定義は、次のようなものでした。

「生命体とは、外部から物質やエネルギーを取り入れて、それを基に活動し、不要になった物質やエネルギーを外部に排出するシステムである」

生命体がどんな形であれ、物質やエネルギーを取り入れて排出すれば、その環境には検証可能な痕跡が残ります。その痕跡があれば、火星にも生命体が存在すると結論付けられます。

逆に、火星に生命体が存在しなければ、大気や土壌などの化学成分は、化学的平衡状態(放っておいたら自然に落ち着いていく安定的な状態)に達しているはずです。平衡状態の化学成分はコンピュータで予測できるので、火星の化学成分が予想値と等しければ、生命体は存在しないと結論付けられます。

このような定義に基づいて探査した結果、予測値と等しい完全な平衡状態であったことから、「火星に生命体は存在しない」という結論に至り、探査計画は終了しました。

これでNASAでの使命を果たしたラブロックでしたが、彼は新たな疑問を感じていました。これまで行ってきた火星の生命探査と同じ視点で地球を見つめ直してみると、地球では化学的に決してあり得ないことが起きていたからです。

表のように、地球の大気化学成分は火星や金星と著しく異なります。化学的平衡状態とはかけ離れた、極めて不安定な状態なのです。しかも、この状態をなんと40憶年前から維持していることが分かったのです。

この状態は、なぜ維持され続けているのか? この疑問に対する唯一の解答としてラブロックが掲げた仮説が、「地球は一つの生命体である」というものでした。この仮説を「ガイア仮説」と呼びます。

驚異的な地球のメカニズム


ガイアとは、ギリシャ神話に登場する「大地の女神」です。ラブロックがこの「女性の神」の名を地球に名付けた真意は、「母なる大地」と「神のみ業」という2つのイメージが、このガイア仮説の内容にぴったりであったからでしょう。

地球の酸素濃度は、40億年間、21%に保たれてきました。もし酸素濃度が1%増え、22%を維持し続けると、雷が発生しただけですぐに山火事が起きるようになり、地上は焼け野原になってしまいます。逆に、酸素濃度が20%になれば、現存の全ての生物は生きていけません。このように、21%というのは、実に絶妙な濃度なのです。

では、どんなメカニズムで、悠久の歴史を通じて酸素濃度が21%に維持されてきたのか? 地層や化石などの研究によって、次のようなことが判明しました。

何らかの要因で、酸素濃度が1%だけ増えたとします。すると山火事が発生しやすくなります。山火事が起きて森林が灰になると、雨などによってその灰が海に大量に流れ込みます。その灰によって海の生物の栄養素であるリン化合物が増えます。当然、海の生物の活動が活発となります。

通常、海から大気中へ、酸素が移動しています。しかし、海の生物の活動が活発となることで、海中の酸素を大量に消費し、海から大気中への酸素循環が絶たれます。

これによって、大気中の酸素は山火事で消費された分だけ少なくなり、21%に戻るというわけです。

反対に、何らかの要因で酸素濃度が1%減ったとしましょう。化石を調べてみると、このように酸素濃度が少なくなった時にも、原因は定かではありませんが山火事が起きていたことが分かりました。

酸素濃度が少ない時の火災は、不完全燃焼となり、樹木は燃え残ります。この不完全燃焼によって、酸素濃度が元に戻るのです。その理由は次のとおりです。

植物は、光合成によって酸素を作り出します。その植物が完全燃焼するためには、自らがつくり出したのと同量の酸素を必要とします。例えば、500グラムの酸素をつくり出した樹木が完全燃焼するには、空気中の酸素500グラムを消費するということです。

従って、不完全燃焼の場合は、自らが作り出した酸素を使い切らないうちに鎮火することになるのです。先ほどの例で言えば、300グラムの酸素を消費した段階で鎮火するということです。結果として、200グラム酸素が大気中に残ることになります。つまり、火災が起きる前よりも酸素濃度が増え、21%に戻るという仕組みです。

このように、地球は酸素濃度を21%に保つために、しばしば山火事を起こしてきたのです。酸素濃度が増えても減っても、山火事という手段によって、21%に戻してしまうのです。

人間は体温を常に約36.5度に保っています。同じように、地球は酸素濃度を21%に保っているわけです。この他にも地球は、大気中のメタンガスやアンモニアなどの濃度も一定に保つ、巧妙な仕組みを持っているのです。これが「地球は一つの生命体である」というガイア仮説の真髄です。

共生こそ生命の原点


森にはさまざまな樹木がはえ、昆虫や鳥や小動物がそれぞれに生命を営んでいます。これらの森の生態系を支えているのは、実は見落としがちであったカビやキノコなどの菌類だということが、最近の研究で明らかになりました。

菌類と植物の根は、互いが生き延びていくために密接な共生関係を結んでいます。菌類は植物の根から、光合成の産物である糖を受け取っています。逆に植物は、根が土壌から養分や水分を吸収することを、菌類によって助けられています。このように、菌類と植物の根は不可分一体であるということが明らかとなり、現在では両者を合わせて「菌根」と呼んでいます。

つまり、カビやキノコなどの菌類がないと、植物は十分な栄養を得ることができないのです。菌類と植物は、お互いに相手のために生き合いながら、自分自身を生かしてもらっているわけです。そして、森で生活しているさまざまな生物も、結局は菌根という膨大なネットワークによって生かされているわけです。

酸性雨によって樹木が枯れるということが叫ばれて久しいですが、この根本的な原因も菌類にあったのです。当初は、酸性雨に触れた樹木が、表面から枯れていくと考えられていました。しかし、実験を重ねた結果、酸性雨程度の水に触れても、森の樹木たちはそう簡単には枯れない、優れた耐久性を持っていることが判明したのです。

しかし、樹木のように強靱な耐久性を持っていないのが菌類です。酸性雨に触れた菌類は、次々と死滅してしまうのです。その結果、土壌からの栄養素を十分に得られなくなった樹木も、枯れ果てていくのです。

森だけではなく、全ての生命は共生関係で成り立っています。

人間もそうです。人間の始まりは、精子と卵子という、たった2つの生殖細胞です。この2つの細胞が合体(すなわち受精)して、共生関係をスタートさせます。その後、この受精卵は細胞分裂を繰り返して増殖します。そうやって増えた細胞も、互いに共生関係を結びながら、人間の体を形作っていきます。さらに、人間の体の中では、無数の微生物との共生関係も成立しているのです。このようにして、全ての生物が共生関係を保っていることで、地球という生命体が維持されているわけです。

従って、人間社会も、周りの自然と共生関係を保つことによってのみ、維持されていくものです。近年、先進国では自然を無視した開発が続いた結果、さまざまな災害が発生しています。例えば、堤防の決壊による大洪水、山間部の宅地や道路での土砂崩れ、都市部における猛暑など、そこに人間の手が加わっていなければ起きなかったであろう現象が後を絶ちません。

これらのことから、「人間は地球という生命体の中に巣くっている病原菌、あるいは癌細胞だ」と唱える学者たちも増えてきました。

確かに、私たち人間の体の中に病原菌などが入れば、体はさまざまな抵抗をします。地球を一つの生命体であると考える限り、「人間は病原菌、癌細胞」という指摘も、あながち的外れとは言えません。私たち人間は、共生こそ生命の原点であることを忘れてはならないのです。今回の新型コロナウイルス騒動も、そういう観点で考えてみる必要もあるかもしれません。

コロナウイルスで死ぬか? 自殺するか?


特効薬がない新型コロナウイルス感染症に罹患しない方法は、至ってシンプルです。飛沫感染で広まっていくものですから、人と人を接触させなければいいのです。緊急事態宣言でも戒厳令でも、何でもいいから人を外出させずにいれば、そのうち終息します。

しかし、そういうことをやればやるほど、経済活動はどんどん縮まっていきます。倒産する会社はどんどん増えていきます。生活苦、先行きの不安、ウイルス感染の恐怖などで、自殺者は確実に増えていきます。

つまり、新型コロナウイルスでの死者数と、自殺者数は、反比例の関係にあると言えます。新型コロナウイルスで死者を減らせば自殺者が増える、新型コロナウイルスで死者を増やせば自殺者が減る。少々短絡的な表現ですが、大筋ではこのとおりの関係にあると言えます。

ガイア仮説によれば、今、この時、地球は人類の一定程度の人数を減らしたいのだ、ということになりましょう。コロナウイルスで死ぬか、自殺で死ぬか、いずれにしろ人口を減らすのが地球という生命体の免疫活動だというわけです。酸素濃度を21%に保つように。あるいは病原菌を撃退するように。ぞっとします。

ただし、われわれ人間には意思があります。精神活動ができます。そこが酸素や病原菌と大きく異なるところです。自殺を志向しないようなメンタルを備えることができれば、その問題も解決されます。そういった精神を鍛えるのは、宗教だったり、哲学だったり、芸術だったり、要は経済や科学でない分野の役割です。

こういう危機に直面している時こそ、精神的な世界を見つめ直すべきなのかもしれませんね。


“新型コロナウイルスで、地球はどうしても人類を減らしたいのだろうか?” への11件の返信

  1. 今、Dr.STONEというアニメを見てますが、もしかしたらDr.VIRUSということもありうるのでしょうか?

    • すみません。Dr.STONEというものを知らないので、何ともコメントできません。もう少し分かりやすく説明してくれるとありがたいです。

      • 私もまだ6話までしか見てませんのでなんとも言えませんが、今から3700年後の世界の話で人類とツバメだけが謎の現象で石化されて3700年後、復活した唯一の人類、センクウが再び科学の力を使って文明を取り戻す、、、という話です。石化したのは人類を滅ぼすためではなく人類を救うためではないかというのが私の途中経過の予想ですが。

        • それで、コロナウイルスも、人類を滅ぼすためではなく人類を救うためではないか、ということでしょうか?

  2. 今回はとてもシリアスなエッセイですねえ。

    面白いことに、先週金曜日のネットTV「虎ノ門ニュース」
    に出演された武田邦彦教授も「共生」というテーマでコロナ
    問題を解説されていました。ただ、武田教授は「帰納法」的
    に提言されていました。貴殿は「演繹」的かなあと感じます。
    また、今回の「コロナ問題」が解決された先には、世界の
    システムが大きく変わる・・・という意見も散見されます。
    「正義の時代」に代わるとまで言う人もいます。パラダイム
    シフトが起こるのでしょうか?

    日本の歴史を「経済的側面」から論説された上念司氏の
    書籍も面白いです。また、「ABC予想」が証明された
    というニュースもすごいらしいですね。また、機会が
    あれば、解説をお願いします。

    • ABC予想、楽しいですね!
      機会があったら書いています。
      できれば、数学の未解決問題を全部書いてみたいです(無理か)。

  3. 質問の答えはもう少し先になると思います。
    ただ、いろんなことが変わっていくような気がします。

  4. ピンバック: この期に及んで、まだ東京オリンピックを開催しようというのか – ∂世界/∂x = 感動

  5. ピンバック: PCR検査の数を増やすと、かえって感染が広がる恐れがある – ∂世界/∂x = 感動

  6. ピンバック: アフターコロナで大都市は壊滅する – ∂世界/∂x = 感動

  7. ピンバック: コロナワクチンの大量輸入は大丈夫か? – ∂世界/∂x = 感動

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