小保方さん、語るに落ちる前に沈黙を!


小保方晴子さんが「4月9日の記者会見に関する補充説明」を発表しました。「いろいろな意見が出ていることを鑑みて」という理由です。あんな会見では、いろいろな意見が出ることは当然です。そんなことは織り込み済みだと思っていました。しかし、そうではなかったようですね。つまり、「真剣に世間を納得させようとしていた」ということでしょうか。う~ん、だとすると危険ですね。これからまだまだ、世間ではいろいろな意見が出るはずです。それに対していちいち反論していたら、そのうち語るに落ちます。ぼくは以前と同じように、小保方さんには沈黙をお勧めします

なぜ別マウスの遺伝子が検出されたのか?

ねずみ
論文の共著者であり、初めに論文撤回の声を上げた山梨大学の若山照彦教授は、小保方さんにSTAP細胞作製を依頼したマウスの遺伝子を再検査しました。その結果は、次のようなものでした。

解析した細胞は、当時CDB(注:理化学研究所発生・再生科学総合研究センター)に所属していた若山照彦・山梨大教授が、小保方晴子・理研研究ユニットリーダーに「129」という系統のマウスでSTAP細胞を作製することを依頼し、小保方リーダーが作製した細胞を基に作った。若山教授が山梨大へ移籍後も冷凍保管していた。

STAP幹細胞ではSTAP細胞から変化後も、元のマウスと同じ遺伝子のタイプが確認されるはずだが、CDB関係者によると、山梨大が保管していたSTAP幹細胞2株を解析した結果、「129」ではなく「B6」など別の2系統のマウスが検出された。この2系統のマウスはES細胞の作製によく使われるという。

ちょっと注釈ですが、研究の詳細をよく理解していないメディアでは、「小保方さんからもらったSTAP細胞そのもの」を若山さんが解析に出した、というような伝え方をしています。それは間違いで、上記のように、小保方さんからもらったSTAP細胞を元にして作った「STAP幹細胞」を解析に出した、ということです。専門的な説明は本記事の本意ではないので、STAP細胞とSTAP幹細胞の違いについては割愛します。

さて、記者会見でも「若山さんに渡った細胞の遺伝子が変わったのはなぜか」という質問がありましたが、小保方さんは明確に回答しませんでした。これでは世間が納得しませんから、「細胞をすり替えたんじゃないか」などと、いろいろな推測をされることになります。

そこで、今回発表された「4月9日の記者会見に関する補充説明」では、この件に触れざるを得なくなったのでしょう。しかし、とても不自然、かつ不愉快な文章です。

STAP幹細胞は、STAP細胞を長期培養した後に得られるものです。長期培養を行ったのも保存を行ったのも若山先生ですので、その間に何が起こったのかは、私にはわかりません。現在あるSTAP幹細胞は、すべて若山先生が樹立されたものです。若山先生のご理解と異なる結果を得たことの原因が、どうしてか、私の作為的な行為によるもののように報道されていることは残念でなりません。

この文章は丁寧な文体で書かれていますが、若山さんに対する明確な宣戦布告です。感情むき出しの文体で書けば(もちろん文章の意味は同じにします)、次のようになります。

STAP幹細胞は、STAP細胞を長~い間(つまり悪いことが十分できる時間ね)培養した後に得られるものなのよ。長~い間培養を行ったのも、それをまた長~い間保存していたのも若山先生なのよ。その長~い間に何が起こったのかしら・・・。私にはわからないけど、何かありそうでしょ? 現在あるSTAP幹細胞は、ぜ~んぶ若山先生が作ったものなのよ、私じゃないの。私はその元になるSTAP細胞を作ったの。どう考えても若山先生の方が怪しいでしょ? どうして私の仕業だと騒ぐの? 残念でならないわ。

雲行きが怪しくなってきたなあ

雲行き
小保方さんは、渡された129系統マウスでちゃんとSTAP細胞を作って、若山さんに「納品」したと主張しています。その「納品されたそのものの遺伝子」ではなく、「納品」されたものから長い時間をかけて作られた「幹細胞の遺伝子」がB6系統などのマウスだったということは、若山さんが大きな過ちを犯した、もしくは不正を行ったのだと主張していることに等しいです。

これだけ堂々と反論されると、あの会見での男心をくすぐる可哀想で愛らしい姿も重なって、おじさんのぼくなどは「若山さんは、なぜ『納品されたSTAP細胞そのもの』の遺伝子を解析しないのだ。小保方さんの言うように、若山さんは怪しい」と思いそうになってしまいました。

でも、冷静に考えてみると、やはり小保方さんの方が怪しいです。なぜなら、若山さんは小保方さんから受け取ったSTAP細胞からSTAP幹細胞を作り、そのSTAP幹細胞からキメラマウスを作って、STAP細胞の多能性を証明する実験をしたのです(この文章の意味が分からない人は、いろいろと検索して説明を探して、ご理解ください。ここでは長々と説明できませんので、あしからず)。

つまり、若山さんは小保方さんの仮説を立証してあげる立場であって、若山さん自身はそれほど得をしません。むろん、世紀の大発見の一翼を担うという意味では得をしますが、動機としては弱いです。

しかも、論文撤回を最初に提案したのも若山さんです。もし自分が悪さをしていたとしたら、そんな行動に出ないでしょう。さらには、STAP幹細胞の遺伝子検査などしないでしょう。もし、良からぬことをしていたのだとしたら、黙っている方が得策です。

小保方さんから「幹細胞ではなく、私から直接もらったSTAP細胞の方を遺伝子解析して」と言われて、実際に解析することになって129系統マウスという結果が出たら、今度は若山さんの方が科学者生命を絶たれます。ここまでのリスクを抱えないと思います。

実は、若山さんがかかわったSTAP細胞実験は、すべて理研時代に行われたものです。若山さんは小保方さんと一緒の場所で研究していたのです。若山さんが山梨大学へ移るとき、小保方さんからもらったSTAP細胞は持っていけなかったのです。STAP細胞は増殖しないという特性がありますから、持ち出されたら理研が困るのです(理研の財産です)。

ですから、いくらでも増えるという特性があるSTAP幹細胞を持っていったのです。いくらでも増やせるから、理研も困りません。それに、医療などへの応用が期待されているのも、STAP幹細胞の方です。増やせないと、いろいろと試行錯誤できませんからね。だから、いくら若山さんが遺伝子解析をしたところで、小保方さんは「それは若山さんが作ったんでしょ」と言い訳できるのです。

すると、必ず「じゃあ、その元になったSTAP細胞を遺伝子解析してみよう」という話になるはずです。それでも小保方さんが困らないから、今回のように反論したんでしょう。それを好意的に受け止めれば、「ああ、やっぱり彼女はちゃんとSTAP細胞を作ったんだなあ」となるでしょう。

しかし、うがった見方をすると、若山さんに渡したSTAP細胞はすでに理研にすら存在しないことを知っていて、小保方さんはあのような反論をしたともいえます。なぜ存在しないのかは、推測の上の推測になってしまうので、あえて書きません。書くと、もっとおぞましくなるので・・・。

ともかく、周りの人にも迷惑をかけることになるし、自分をさらに窮地へ追い込むことにもなりかねませんから、小保方さん、もう沈黙を押し通してください。あの120点記者会見で終わりにして、スパッと沈黙した方が良かったのに・・・。だんだん、現代のベートーベン・モドキのように見えてきちゃうので、悲しくなります。


小保方さん、語るに落ちる前に沈黙を!” へのコメントが 2 点あります

  1. う~ん、拝志朗さんの推測で考えられるとすれば、もしかすると彼女は女優顔負けの演出家なのかもしれません。
    どこまでが、純粋な動機で信じる部分なのか?
    何の目的で共同研究者まで巻き込む発言をしたのか?
    科学の信用問題ですから、この騒動の成り行きと結末が気になっています。

    • ぼくも正直なところ、よく分かりません。彼女は本当に実験に成功していて、嘘はついていない(論文はおこちゃまレベルだけど)ということも、あり得ます。だとすれば若山さんが嘘つきになります。

      ただし、この遺伝子解析の件では、まだ若山さん本人は公式的にコメントしていません。あくまでもメディアの報道です。もしかしたら、メディアがポカをやった、という可能性もあります。

      明日は、もう1人の共著者であり、小保方さんの上司でもある笹井芳樹・副センター長の記者会見があります。また新しいことが分かるかもしれません。

      わくわくして、目が離せません。

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