たった14日間で感染拡大を終息させる方法を教えます



新型コロナウイルス感染症の拡大を終息させる方法なんて、実は極めてシンプルなのです。むろん、現実的に実行するとなると簡単ではありません。「分かっちゃいるけどやめられない」ってやつですね。

政府では、優秀な専門家の先生方を集めているわけだから、当然このシンプルな終息方法なんて分かっているはずです。しかし、国民の反感を買うに決まっているので、口が裂けても言わないでしょう。だから、ぼくが皆さんに教えてあげましょう。

それは、既に研究され尽くされている「社会的ジレンマ」という問題の解決方法を取ればいいだけの話です。これらか下の原稿は、2015年4月9日に書いた「保育園の開園延期問題で見えてくる社会的ジレンマ」をほぼコピペします。当該記事を読んでもらえばいいのですが、ページをあっちこっち行くのも大変でしょうから、再度掲載しながら加筆・修正します。手抜きの言い訳か。(;’∀’)

いつの時代も繰り返される共有地の悲劇

実は、こういった問題は「複雑系の科学」という学問分野において「社会的ジレンマ」と呼ばれ、研究が行われています。数学者や物理学者や心理学者などが共同で研究する場合が多いです。ギャレット・ハーディンという学者が、「共有地の悲劇」という話の中で紹介したのが始まりです。

産業革命前のイギリスに、コモンズという牧草地がありました。誰もが自由に羊を放牧できる共有地です。農民たちは自給自足をするために、コモンズで自分たちの羊を放牧していました。

そのようなイギリス社会で、産業革命が始まりました。衣服などの大量生産が可能となり、羊毛の需要が高まってきました。需要に供給が追いつかない状態ですから、羊毛を売れば売るほど儲かります。農民たちは、自給自足の量を越えた羊を育てようとし、こぞってコモンズに放牧しました。

やがてコモンズは羊で埋め尽くされ、牧草は食べ尽くされてしまいました。エサが足りないので、羊は牧草の根っこまでほじくり返して空腹をしのごうとしました。根絶やしにされたコモンズには、翌年から牧草が生えなくなってしまいました。コモンズは牧草地として使用できなくなり、農民たちは共有地という共通の財産を失うことになったのです。

つまり、個人が自分の利益だけを追求して行動すると、最終的には全員が大きな損失を被ってしまうということです。

1人の農民にとっては、「自分の羊の群れが1頭増えたくらいでは、コモンズの損失は微々たるものだ」と考えます。確かに、自分1人が増やしただけならば、その考えは正しいです。

しかし、コモンズを使用している農民全員が同じように考えて行動すれば、コモンズの壊滅となります。そのことに1人の農民が気付き、自分は羊を増やすことを我慢しても、彼1人だけでは悲劇は防げないです。しかも、自分だけ羊を増やさず、他の人たちが増やしてしまえば、自分だけ一方的に損失を被ることになってしまいます。

唯一の解決策は非論理的手段(宗教的手段)

整理すれば、次のようになります。

1)集団の構成員である各個人が、協力行動か非協力行動かの、どちらかを選択できる。
2)各個人にとっては、非協力行動を選択する方が得をする。
3)全員が非協力行動を選択すると、全員が損をする。

これが社会的ジレンマです。少し専門的な表現を使えば、「部分最適と全体最適の解は異なる」ということです。部分にとっての最適な答えと、全体にとっての最適な答えは異なるということです。

実は、この社会的ジレンマは、論理的手段(科学的手段)では解決できないことが分かっています。非論理的手段(宗教的手段)でしか解決できないのです。つまり2)を選択しないということ、各個人が得をするように行動しないこと、全員が協力行動を選択すること、です。それではじめて、全員が得をするのです。

これは別に宗教や道徳の話でなく、科学としての研究成果です。いろんなケースをコンピュータでシミュレーションした結果として、「2)の非協力行動を選択しないことがベストな解である」ということが証明されているものです。

すなわち、「私たち全員で、各個人の利益にならないことを選択しよう!」という、個人的に考えたらまったく理にかなわない決意・総意、すなわち宗教的信念に似たものがない限り、社会的ジレンマは決して解決できないというわけです。

新型コロナウイルス感染症拡大を終息させる問題に戻れば、国民全員が社会全体のためを思って、このウイルスの最大潜伏期間である14日間絶対に外出せず、同居人とも部屋を隔離するなどして一切接触しないことです。いわゆる完全なロックダウンです。さらに念のために、基本的な対策であるマスク・手洗い・うがいも徹底しましょう。こうすれば、たった14日間で感染拡大は終わります。

あとは、それ以前に感染していた人たちの治療だけが残ります。むろん、その患者さんたちも完全隔離状態で治療を施せば、患者全てが完治した時点で完全終了です。

このウイルスは人から人に感染するのですから、人と人が接触する機会をゼロにすれば感染が止まるのは当たり前、極めてシンプルなのです。しかし「分かっちゃいるけどやめられない」という問題の解決は難しいので、「社会的ジレンマ」と呼ばれて科学者の研究課題にもなってきたわけです。そして、その研究成果はもう出ていて、各個人の利益にならないことを選択することが唯一の解決方法だと分かっているのです。

科学の理屈でいえばそういうことなのですが、国民一人一人にとってはそんなに簡単に「はいそうですか」と言えないことも理解できます。完全なロックダウンをしたら、経済的なダメージは計り知れません。当然、政府もそういうことが分かっているから、折衷案のような措置しかできないわけです。けれども、それでは結局、いつまでたっても感染拡大は終息しないというのも、科学的な結論です。

難しい問題ですが、そういう問題を解決してこそ、平和な社会が築けるのだと思います。逆にいえば、平和な社会をつくるということは、それだけ難しいということですね。


“たった14日間で感染拡大を終息させる方法を教えます” への4件の返信

  1. 京橋様

    いつもありがとうございます。

    今更ながらの問い合わせをお許しください。

    専門家会議座長の尾身氏は、専門家でありながら
    精神論だったり、飲み会はしないだったり、
    日常的な諸注意の提言なので、よくわからない
    のですが、飲み会で羽目をはずし大声で騒ぐので
    感染する・・・とのことですが、ならば、
    そのウイルスはどこから来るのでしょうか?
    その時点で、感染していない人同士が会食して
    会話するわけです。
    お店も除菌など感染防止策を施しています。
    なのでウイルスはいない・・・と考えますが、
    違いますか?

    ある科学者は、咽頭にウイルスはいない場合
    腸で活動し下痢症状になる・・・その排泄物、
    トイレなどで感染する可能性は大きい。と
    言われました。トイレでの防止を徹底する方が
    効果があると思いますが、いかがでしょう。

    • ご質問ありがとうございます。

      「感染していない人同士が会食」という前提ではなくて、「感染している人が会食している」という前提で話していると思います。感染していても無症状の人はいますから。

      除菌などの対策している店には、ウイルスがいない確率は低いでしょうが、来店する人に無症状の感染者がいる可能性は排除できないので、リスクはゼロにはなりません。

      もちろんトイレも同じでしょう。きれいに除菌していればリスクは下がりますが、ゼロにはなりませんね。

      • ご解答ありがとうございます。
        なるほど、
        「感染している人が会食している」
        だから、外にでるな・・・ですね。

        ならば、マスクだけではなくてフェイス
        シールドの着用を徹底すればよいと思う
        のですが。

        大規模会場でのワクチン接種も始まり
        京橋さんにはそれなりのお考えが
        あるようですが、接種を終えた方々は
        一様に安心された表情になり、なんとなく
        世の中が少し明るくなった気さえします。

        テレビのメディアによるネガティブ報道で
        みんな得体のしれない 不安感 で
        いっぱいなのかも知れません。

        • 安全と安心は異なりますからね。

          科学的に安全だといわれても、心が納得しなければ決して安心しません。

          科学的には危険だといわれても、心が納得してしまえば安心します。

          ぼくは、ワクチンを打って安心している人は後者だと思っています。このワクチン(mRNAワクチンやDNAワクチン)は多くの科学者から危険性を指摘されていますが、メディアの報道や、世の中の雰囲気だけで安心しているからです。

          過去を振り返れば、国が先導してきたワクチンには、いつも有害事象が発生して、後々問題になります。ジフテリアワクチンしかり、ポリオワクチンしかり、子宮頸がんワクチンしかり。国と個人の利益は必ずしも一致しないことは、肝に銘じておくべきでしょう。

          今回のコロナワクチンは、数年かかる臨床試験をすっ飛ばしていますから、いわば今、全国・全世界で臨床試験をしている状態だということは「科学的事実」です。

          ですから、このワクチンの効果が本当のところどうだったかということは、本来の臨床試験が終わる時期、すなわち数年後になればはっきりするでしょうね。想像するだけで、ぞっとしますけど。

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