地球に失礼な発言は、そろそろ終わりにしましょう


地球
今年は1月から12月まで毎月台風が発生しました。これは観測史上初のことです。また今年は暖冬で、スキー場は雪不足で困っています。このように、いつもと違う気象を受けて、テレビでよく耳にするようになった言葉に「地球がおかしいですねえ」というものがあります。確かにそう言いたくなる気持ちは分かりますが、「それはいくらなんでも地球に失礼だろう」と反感も覚えます。

地球的規模の時間軸でみたら、人間がこの地球に出現してから大した時間は経っていません。地球が誕生したのは46億年前、人間が誕生したのは(諸説がありますが)だいたい20万年前です。

地球誕生から現在までを1年にたとえると、おおむね次のようなカレンダーになります。

 1月 1日 午前0時、地球誕生。
 1月12日 地球に天体が衝突して、地球から月が分離する。
 1月16日 地殻の形成が始まる。
 2月17日 生命の素材となるタンパク質や核酸が生まれる。
 2月25日 原始生命が誕生。
 3月29日 光からエネルギーを吸収するバクテリアが誕生。
 4月14日 さまざまなバクテリア類が誕生。
 5月31日 磁場が形成される。バクテリアから酸素の生成が始まる。
 6月 8日 火山活動が活発となり、大陸が成長する。
 6月28日 全球凍結(地球全体が凍るスーパー氷河期)。
 7月10日 温暖化し、細胞に核を持つ真核生物が登場。
 7月18日 大気中の酸素が増えていく。
 9月27日 多細胞生物の登場。
11月 6日 全球凍結。
11月13日 温暖期に入る。
11月14日 オゾン層が形成される。骨格を持つ動物が誕生。
11月18日 カンブリア爆発(生物が突然多様化を始める)。
11月20日 魚類の出現。
11月27日 午前4時、生物の大量絶滅。
11月28日 植物と節足動物が陸へ上がる。
11月29日 魚類から両生類が分かれて陸へ上がる。
12月 2日 午後10時、生物の大量絶滅。
12月 3日 大森林が広がる。両生類から爬虫類が分化する。
12月 5日 氷河期に突入。
12月 7日 爬虫類が多様化。
12月10日 氷河期が収まる。
12月12日 午前2時、生物の大量絶滅。
12月13日 恐竜が誕生する。
12月15日 生物の大量絶滅。生き残った恐竜が繁栄。
12月24日 温暖化が始まる。
12月26日 午後8時17分、恐竜をはじめとした生物の大量絶滅。
12月27日 哺乳類の繁栄。
12月29日 午前6時、類人猿の祖先となる狭鼻猿が誕生。

12月31日
午前10時40分    最初の猿人が誕生。
午後11時37分    現生人類が誕生。
午後11時58分52秒 農耕牧畜が始まる。
午後11時59分46秒 イエス・キリスト生誕。
午後11時59分56秒 ルネッサンス。
午後11時59分58秒 産業革命。
午後11時59分59秒 20世紀、21世紀。

長い地球カレンダーで見たら、人間が気象を観測し始めてから1秒も経過していません。地球では、その3千万倍以上の長い時間が経過しています。たかだか1秒足らずの観測結果から、「最近、地球がおかしいですねえ」などと言えないと思います。

地球の歴史に対して、もうちょっと謙虚になるべきなのではないかと、つくづく思います。


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