人間の祖先は猿?


一般的に「人間は猿から進化した」と信じられています。科学者でさえ、そう思っている人が多いです。しかし、この仮説が科学の世界で証明されているわけではありません。

進化論の研究は、当初、生物の形態を中心に行われていました。化石や現存する生物の中で、形態が似ているものを下等なものから高等なものへと順に並べ、「これが祖先、これが後孫」と判断してきたのです。

確かに猿と人間は他の動物と比べて格段に似ていますから、下等な猿の方が祖先だと考えられたわけです。かなりアバウトな方法です。

その後、研究技術が飛躍的に進歩し、分子レベルで進化論が研究されるようになりました。生物の体は、タンパク質という分子からできています。そのタンパク質を作る情報は、細胞核の中にあるデオキシリボ核酸(DNA)に書き込まれていることが分かりました。

これにより、DNAが生物の設計図であり、各生物のDNAを調べれば進化の系統が分かると考えられるようになったのです。進化とは、下等な生物が高等な生物になることですから、DNAが似た生物の中で、下等なものが先祖、高等なものがその子孫であるというわけです。

研究の結果、猿の中でもチンパンジーのDNAが人間と極めて似ていることが分かりました。94.7%が同じだったのです。違いはわずか5.3%。これにより、人間の直接の祖先はチンパンジーであると結論付けられ、教科書に載るようになったのです。ちなみに、このパーセンテージは2004年の研究で発表された値です。それ以前は、1.4%の違いしかないといわれていました。

こう説明されると、いかにも「人間の祖先は猿である」ということが科学的に証明されたように感じられます。しかし、それは間違いです。5.3%のDNAの違いが、いかにしてチンパンジーと人間の体の違いとして現れるのかは、全く解明されていないのです。

そもそも、「DNAが生物の設計図」であるという考えが正しくありません。DNAはあくまでも「タンパク質分子の設計図の一部」に過ぎないのです。タンパク質分子でさえ、DNAの情報で作られる部分は20%しかありません。環境からの情報によって作られる部分が80%で、圧倒的に多いのです。

しかも、そのようにして作られたタンパク質分子が、いかにして、目、鼻、口、手、足、胃、腸・・・といった体の各部位を構成するかは、全く分かっていないのです。

客観的な事実は、「チンパンジーと人間のDNAは5.3%の違いがある」ということだけです。その客観的事実を、「下等なものが高等なものに進化する」という主観(パラダイム)を通して判断するから、「やっぱり猿から人間に進化したんだ!」と考えるわけなのです。科学の世界でも、このように主観が大きな影響を与えているのです。

科学における主観と客観との関係については、拙著『科学盲信警報発令中!』で詳しく説明しています。ご一読ください。


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