問題を解く秀才よりも、疑問を抱く天才が見たい


最近のテレビのクイズ番組は面白くありません。東大生が出てくるものや、高学歴の芸能人、物知りの子どもなどが出てくるものなどは、最低です。面白くないので、見ることもほとんどないから、それほど精神衛生上影響はないのですが、「そんな番組がゴールデンタイムで放送されているのか」と思うだけでも少々気分が悪いです。

昔のクイズ番組もくだらないといえばくだらなかったけれども、唯一の救いは一般庶民がよく登場していたということです。つまり、現在のように東大生などのような秀才が出るのではなく、ごく普通の人が出て、賞品・賞金の獲得を目指すというところが良かったです。

秀才は、知識が豊富で、いろいろなことを知っており、問題を解くことが得意です。受験、試験で鍛えられているからです。クイズ番組など、お手のものでしょう。「すごい物知りだな」と驚くのが楽しくてそういう番組を見るという人が多いのでしょうが(だからゴールデンで放送している)、よく考えればくだらない限りです。コンピューターや、今はやりのAIと似たようなものです。確かに、いろいろ知っていてすごいとは思いますが、機械でもできることをやっているところを見ても、全然楽しいとは思えません。

JAXAで「はやぶさ」のチームを率いた人が言っていましたが、宇宙関係の仕事では、秀才は役に立たないのだそうです。秀才は、問題を解くことはできても、疑問を抱くことは苦手だからだそうです。

宇宙の研究は、疑問を抱くことから始まります。そして、その疑問をどうやったら解くことができるかということを考えなければなりません。つまり、疑問を解くために、まず問題を探さなければならないということです。秀才は、出された問題を解くことしかできないので、そういう分野では役に立たないというわけです。

20世紀の大天才といわれる科学者はアインシュタインですが、彼は10歳の頃に「自分が光の速さと同じ速度で走ったとき、手に持った鏡を自分の進行方向に掲げたら、果たしてその鏡に自分の顔が映るのだろうか」という疑問を抱いたそうです。自分が光の速さと同じ速度で走っているということは、自分の顔から出た光と鏡は同じ速度で進みます。つまり、自分の顔から出た光はいつまでたっても鏡にたどりつかないから、永遠に自分の顔は鏡に映らないのではないかというわけです。

結局、アインシュタインはこの疑問を解くために考え抜いた結果、有名な相対性理論を導いたわけです。ちなみに、答えは「鏡に映る」のですが、その解説は割愛します。興味がある人はご自分で調べてみてください。

こういうことを10歳で疑問に抱くというのが天才です。しかし、子どもは結構そのような、役に立ちそうにない疑問、かつ大人も答えられない疑問を抱くものです。そういう意味では、子どもは皆、天才です。ぼくの子も、小さい頃にはそういう役に立ちそうにない疑問をたくさん言っていました。

秀才が出るテレビ番組は見たくありませんが、天才は見ていたいです。天才が抱く疑問は、ぼくらもわくわくするようなものが多いです。そういう天才を手っ取り早く見る方法は、子どもと一緒に過ごすことでしょう。自分の子どもでもいいし、近所の子どもでもいいです。彼らの疑問発掘能力は、時にアインシュタイン並みであることもあります。次世代を担う彼らが、たくさんの疑問を抱き、それを解いていけるような世界にしたいものです。


問題を解く秀才よりも、疑問を抱く天才が見たい” へのコメントが 2 点あります

  1. 相関関係と因果関係をごっちゃにしている知り合いがいたので、それらについてググっていたところ、こちらのブログにたどり着きました。
    相関関係に関する記事もその他の記事もとても共感出来、勉強になりました!
    これからも拝見させていただきます!

    • ヒロさん。コメントありがとうございます。お役に立てて光栄です。今後もよろしくお願いします!

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