難病のALS(筋委縮性側索硬化症)への理解を広げるための活動、アイス・バケツ・チャレンジが話題となり、日本の患者団体への寄付金は、先月18日から1日までに2747万円になったそうです。相変わらずメディアの力はすごいですね。
ぼくはどうもこのアイス・バケツ・チャレンジ、好きになれません。冷たい氷水をかぶる意味が分からない・・・いや、分からないわけではありません。1つは注目を集めたいためでしょう。ALSという病気を知ってもらい、少しでも支援してほしいのでしょう。
もう1つは、修行僧の水行のような感じでしょうか。難病で苦しんでいる人のために、自分でも少し大変な思いを体験してみようという心境で始まったのかもしれません。
昨年末から今年にかけた冬も、アメリカでコールド・ウォーター・チャレンジというものが話題になりました。これは、がんの研究のために寄付をするか、冷たい水に飛び込むか、あるいは両方を選択するものでした。冬場にやるのですから、こちらのほうが修行僧の水行に近いですね。
そういう意味では、今回は夏場だったからこんなに広がったのかもしれませんね。コールド・ウォーター・チャレンジが全く広まらなかった日本でも、猛暑の夏のアイス・バケツ・チャレンジはやりやすかったのでしょう。辛い水行ではなく、気持ちの良い水浴びに近いですからね。
人々の認知度が低い難病について、多くの人々にその問題を知ってもらい、研究や治療の経費を捻出したいという気持ちは分かります。でも、こういうパフォーマンスでその目的を果たすというのは、どうなのでしょうか?
別に、やっている人たちを批判したいのではありません。こういう啓蒙活動や、資金捻出は、税金を使うべきだと思うのです。
ぼくらは、さまざまな名目で税金を納めています。ぼくらが汗し涙して働いて得た貴重なお金を納めているのです。なぜなら、ぼく個人で使うのではなく、公のために使っていただくためです。難病で困っている人がいるのならば、税金で支援してあげてください。
その分、変な議員はクビにするとか、ろくな仕事をしない公務員を削減するとか、必要のない建物は建てないとか、天下り先の特殊法人を解体するとか・・・税金の無駄遣いを徹底的に減らしてください。
納税者が氷水をかぶり寄付をする姿を見て、「素晴らしい」と喜んでいる議員や公務員のほうに腹が立つ次第です。
このアイス・バケツ・チャレンジのシステムを知った時、ちょっと昔に流行ったチェーンメールみたいなものを思い出しました。
「このメールを早急にあなたの知り合い3人に転送しないとあなたは呪われます、、」みたいなもので、学生、高校生の間で流行っていたものです。
支援自体は素晴らしいものだと思いますが、このアイス・バケツ・チャレンジも、使命された人は同調圧力の中で、支援を行うかどうか「試されている」雰囲気が否めないのがちょっと引っかかりました。
確かに指名するのはよろしくないですよね。話題作りのためにそういう方法を取ったのでしょうが、断り切れない雰囲気が出来上がっているので、どうしても強制されているよう感じになります。
一週間ほど前、中学生の娘がカカオトークで指名されました。大人たちが無分別にやって話題になると、子供達にまでひろがっちゃうんですよね。
「一見良いことのようだけど、否定的な意見もあるの知っている?」と教えてあげた上で「これから涼しくなっていくけど、後に指名された人の体調とかも考える必要もあるわね」と、自分で考えさせましたが、結局やらないことに決めたようです。
そうですね。子どもがまねするので、あまり過激なことはしないでほしいですね。
私もどちらかと言うと同意見ですね。
一般では認識し難い病気や必要性のある研究など、支援する対象は世の中に多いと思います。
でも連鎖的なアクションで広く募金を集め啓蒙する運動のようなものは、やり方としてどうなのかなと思います。
啓蒙するのはいいですが、次の人を指名するというのはいただけないですね。やはり、公的機関がやるべき仕事です。
というか、ヒートショックのように、急激な温度差による体への負荷で、ぽっくり死んでしまったら元も子もない。
命を助けるための運動で、生産性のないことで命を落とす。
全く持って、ばかげている。