日本テレビ系『はじめてのおつかい!』は、児童虐待ではないのか?



日本テレビ系『はじめてのおつかい!』は、1991年に始まった番組。生まれて初めて1人で、または兄弟姉妹や友達と「おつかい」に挑戦する子どもの奮闘ぶりをドキュメンタリータッチで描いています。

随分前から「児童虐待ではないか?」と批判されていましたが、昨年にその勢いが高まりました。Netflixを通じて世界に配信されたからです。とりわけ先進国ではかなり批判されています。

京都産業大学の川島理恵准教授は次のように述べています。

アメリカから見る“Old Enough”(「はじめてのおつかい」)

日本ではおそらく微笑ましく聴衆に受け取られているこの番組、なぜそんなにアメリカで話題になっているのか。アメリカでは、13歳未満の子供を一人にすること自体、ネグレクトとして扱われ州によっては罰則の対象となる。子供たちだけでの留守番でさえchild abuse(児童虐待)として考えられる現状で、「はじめてのおつかい」は衝撃的なドキュメンタリーなのだ。

2020年1月6日の放送分は、日本でもかなり批判が噴出していました。

『はじめてのおつかい』3歳児が8キロ歩かされ批判続出「鬼畜過ぎる…」

会津若松市の3歳の男児は、姉が通う小学校を目指して〝おつかい〟に向かった。男児は姉にミュージカルの台本を渡そうと、往復4キロの道を1人で歩くことに。無事に小学校に着いたものの、母が男児に「台本」を渡し忘れていたことが明らかに。男児は歩いて家に戻り、泣きながら再び学校へ。家と学校を2往復する形となった。男児を学校に向かわせようとした母は無理させたことを悔やみ、泣いていたが、男児は無事に再度学校に到着、おつかいは成功に終わった。

この日もスタジオで子供の姿を見守っていた藤本美貴や市川海老蔵ら、出演者は涙を流しながら感動した様子。視聴者も子供のひたむきな姿に感動していたが、一部視聴者からは「子供が危ないのでは」と指摘する声が続出。特に往復4キロの道を2往復する展開には「格好良かったよ」と称える声があった一方で「スタッフが止めてあげるべき」と指摘する声も続出した。

《往復4キロ子供に歩かせた後さらにもっかい往復4キロ歩かせるの鬼畜過ぎる》
《その辺のダイエットしてる人より絶対走ってるやん。しかも長靴やで…》
《はじめてのおつかいもう1回4キロとかしんど過ぎるやろ…》
《往復4キロ2セット歩いてはじめてのおつかいしてた……マジか…》
《8キロ歩くのは俺でも泣いてる》

ぼくも、こういう番組は嫌いです。確かに子どもが何かにチャレンジしている姿には感動しますが、テレビで放送して視聴者を泣かせたいから、そういうチャレンジをさせるということが気に食わないです。要は、大人が感動したいから、子どもに苦労させているということだからです。大人のエゴです。

何といっても、こういうことをさせられる子どもの立場に立って考えていないです。スタッフが周りにいるから安全だと日本テレビは言っていますが、そんなことは当の子どもには分かりません。まだ幼ない心で、不安や恐怖を感じているのです。

日本テレビでは『24時間テレビ』という番組も、同様に「感動ポルノ」という批判にさらされています。障害者に大変なことをチャレンジさせて、視聴者のお涙を頂戴するという番組です。どうも日本テレビは、こういういやらしい番組が良い番組だと思っているようで、心配です。

ちなみに、今年の『はじめてのおつかい!』は、ぼくも夕飯を食べる時にちょうど見ていましたが、唖然としました。こういう内容でした。

「はじめてのおつかい!」放送32年で計80回 父子で水行シーンに赤楚衛二「映画みたい…」

番組では、寺の副住職の父親が「百日修行」に出発するために必要な白衣(はくえ)を息子が受取りにいくおつかいでは、決心がつかない息子の覚悟を決めるため、父子そろって水行をする場面も紹介。これに赤楚は「送り出す不安と行く不安があって、覚悟を決めるために水を浴びる姿が映画みたいでした」などと真剣な表情で語り(後略)。

いやいや、「映画みたいでした」じゃないでしょう。これって、今盛んに問題視されている「宗教虐待」じゃないですか。僧侶が息子に正座をさせて読経を唱えさせ、水行までさせて、おつかいに行かせているんですよ。「ミヤネ屋」なんかで散々「宗教2世を救え」とか言ってる日テレさんは、完全なダブルスタンダードです。

あーあ、今年も嫌な年明けでした。いい年にしたいなあ。


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