人はなぜ家族を持とうとするのか



最近は、結婚して家族を持ちたいと思わない人も増えているようですが、まだ大勢は占めていないでしょう。やはり自分の家族を持ちたいという人が多いと思います。では、人はなぜ家族を持とうとするのでしょうか。

むろん個々人で具体的な理由はあるでしょうが、科学的な共通の理由としたら種の保存でしょう。人類が滅亡しないためということです。ただ、ぼくの感覚では、もう一つ宗教的な共通の理由もあるように思っています。

ぼくは家族を持って30年近くになりますが、振り返って思うことは、明らかに独身時代よりは愛が深くなったということです。これはなかなか言葉で表現するのは難しいのですが、そう感じます。

よく聞くことかもしれませんが、「年を取ると涙腺が緩くなる」という表現があります。若い頃はそんなことくらいでは感動しなかったことも、年を取るとすごく感動して涙が出てくるってことが結構あります。

あとは、どんな相手でも愛そうという感情が自然に湧いてきます。多分、独身時代にこういう人に会ったら、避けて通るだろうなというタイプの人でも、お付き合いしようという思いになります。そういう感覚になったのは、子どもができてからです。

子どもが小さい頃は、私(親)を無条件に慕ってきますから、すごくかわいいです。自然にこちらの愛情も深くなっていきます。そういう状態で、それまで嫌いなタイプの人に出会ったときに、「ああ、この人にも、自分の子どもみたいなかわいい子がいて、パパって慕ってくるんだろうな」と思うようになるのです。そうすると、嫌いなタイプでもいとおしくなるのです。

こういうのを「愛が深くなる」というのだと思います。どんな人でも愛せるようになれば、もう聖人レベルでしょう。さすがにそこまでは無理だとしても、ベクトル(方向)としてはそこを目指しているように思います。人が家族を持つ意味、意義は、こういうことなんだと思います。つまり愛の人格を形成するということでしょう。

十分、宗教っぽくなりました。これも年を取った証左でしょう。(‘◇’)ゞ


“人はなぜ家族を持とうとするのか” への2件の返信

  1. いつも為になるお話をありがとうございます。
    確かに、年を取ると 涙腺が緩む と言われますし
    事実ですね。実は、最近同じようなことを感じて
    います。それは、自分には 嫌いな人 がいない
    いなくなった・・・・と思うのです。
    昔は、それこそ 虫唾が走る とか 言い知れない
    嫌悪感 を感じる人がいましたし、そのような人には
    嫌い という感情を持っていました。見ているだけで
    腹が立ってきたり、イライラしたりして、今でいう
    イジメ をしていたと思います。
     で、今はそのような感情が起こる時がない のです。
    考え方が違う、感性が180度反対の人というとらえ方
    をしているようです。嫌い という感情ではなく 
    たまたま考え方 感性が 正反対 な人 という評価で
    普通に話をしたり、食事をしたりできます。
    昔、体の底から湧き出していた 嫌悪感やイライラが
    起こることがないのです。

    おっしゃりたい事とずれているかも知れませんが、
    自分の中では、驚くような感情の変容 と思ってます。
    ただ、そう認識できたのはほんの最近のことでした。

    • コメントをありがとうございます。kansukezさんも明らかに愛が深くなっているのだと思います。

      今、世界中から嫌われている、否、憎まれているプーチン氏に対してですら、ぼくは似たような感情を抱きます。むろん悪いやつなのですが、100%嫌いかというとそうでもない。

      やはり彼の子ども時代のことに思いが行ってしまいます。そうすると、自分の子どもと重なってしまい、「プーチン氏も無邪気に親を愛し、親からも愛されていたんだなあ」と思ってしまい、100%憎めなくなります。

      仮にタイムスリップできたとして、プーチン氏の子ども時代へ行って、「この子は将来多くの人を殺すことになるので、子どものうちに殺してしまおう」と思えるか。思えないのです。

      それが正しい感情なのかどうかは分かりませんが、少なくとも「親の愛」というものは、そういうものなのでしょう。

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