本来、しなくてもよかった選挙で、カテゴリーエラーの脱原発を叫ぶ候補者なんかいらない


今、東京都知事選の真っ最中です。しかし、なぜか脱原発を叫ぶ人たちが、この都知事選挙に出馬しています。脱原発をするかどうかなんて、都知事の権限でどうにかなるものでもありませんから、カテゴリーエラーだと思います。こんなことで、都民のために選挙をやっているつもりなんでしょうか?

東京都知事が脱原発に対してできることは、都民に犠牲を強いること

 東京遠景

そもそも、この都知事選は「本来、しなくてもよかった選挙」でした。前知事の猪瀬氏が、自身が当選した選挙に先立って、怪しげなお金を受け取ってしまったことが判明し、都議会の追及を受けて辞任してしまったから「仕方なく始まった選挙」です。

この選挙は都民にとっては迷惑な話なのです。「本来、しなくてよかった選挙」、「仕方なく始まった選挙」に、約50億円の税金が投入されるんですから。まったくもって、税金の無駄遣いです。

ただでさえ、このような呆れた選挙なのに、さらに輪を掛けたように脱原発を叫ぶ候補者たち。恥ずかしいからやめてほしいです。もし都知事になったとしても、脱原発を実現できるんでしょうか?

東京が日本で最大の電力を消費しているから、例えば都知事の権限で原発由来の電気代だけ税金を上げることで、自然エネルギーへ転換するための財源を確保することはできます。さらに、もっと過激な方法としては、市区町村に原発由来の電力消費量に応じて、核廃棄物を引き取らせることなんかもできるでしょう。

つまり、原発に依存した分だけ、都民に犠牲を強いるという政策です。これじゃあ、たまったもんじゃないから、都民は原子力由来の電気を使わなくなります。電力最大消費地が原子力由来の電力に依存しなくなるから、原発はいらなくなる…。まあ、都知事が脱原発に対してやれるとしたら、こんなことくらいでしょう。

もちろん、こんな政策を実行されたら、都民の怒り爆発でしょう。要は、東京都知事は脱原発を実行できる力はないということです。テレビカメラの前で、偉そうに「脱原発」と言うことくらいしかできないんです。そんなことするために都知事になるな、都民のためになることをしろ、と言いたくなります。

脱原発は、理想ではあるけれども、現実的にはハードルが高い

原発と地球

ぼくは、原発をなくしていくという方向性には賛成です。これはもう、福島原発の事故を見たら誰もがそう思うでしょう。なくてもやっていけるんなら、あんなに危ないものはないほうがいいに決まっています。

しかし福島原発は、あれほどの地震、津波に襲われても、チェルノブイリのように核暴走は起こさなかったのです。日本の技術力は、素晴らしかったのです。これは認めなければなりません。

むろん、まだ福島原発事故は収拾したわけではありません。否、実際には原発内部でどんなことが起きているのかすら、分かっていません。放射線が強くて、中まで調べられないのです。「実際には原子炉で何が起きているか、ほとんど分かっていない」というのは、とても恐ろしいです。ぼくらの子孫に、このような恐怖を味あわせてはなりませんし、こんなに危険なものを残してはいけません。それは理解できます。

でも、日本のすべての原発を廃止していくのにも、莫大なお金がかかります。ただでさえ、経済が落ち込んでいる日本にとって、その負担は重すぎます。そして、原発を動かさなければ、石油や天然ガスなどへの依存が高くなるので、世界的に見てそちらの燃料の需要が上がるため、輸入額も高騰するでしょう。結果として、ぼくらの電気代も跳ね上がります。ますます経済的負担が高くなります。

太陽光だの風力だのという自然エネルギーは、日本の巨大な電力消費を担うには荷が重すぎます。今の科学技術では、トッピングくらいにはなりますけど、とても主食にはなりません。自然エネルギーとか再生可能エネルギーとか、聞こえはいいですが、実力はまだまだです。効率を上げるには時間がかかるでしょう。

しかも、核燃料を捨てる場所すら、ままなりません。どこの自治体も嫌がるでしょうし、そもそも地震大国の日本に「安全な核のゴミの捨て場はない」とさえ言われています。

このような経済、技術、廃棄の問題を解決する方法を見つけないと、脱原発なんてできません。そんなことは、たいていの科学者は分かっています。だから、科学者はあまり脱原発を叫びません。ぼくも理系だから、同じです。脱原発は理想であって、今すぐ現実にはなり得ないと思います。

もっと科学者を信頼し、彼らが思う存分に働ける環境をつくってあげてほしい

研究

ベターな方法としては、原発を再稼働しつつ、経済、技術、廃棄の問題を解決する方法を真剣に検討していくということにつきます。

再稼働すれば、東電も経営を改善できるので、ぼくらの電気代も下がっていくでしょう。経済は最悪な状態にはならないでしょう。もちろん、経済は複雑なシステムになっているので、ほかの要因で悪くなることもありますが、少なくともライフラインの1つである電力の料金が安定することは経済にとってプラスになるはずです。

そうしている間に、新たなエネルギーを安価に入手する技術を開発すること、そして核廃棄物の処分をどうするか考えることです。ぼくは、人間の創造性には大いに期待しています。新エネルギーも核処理も、今の常識では考えられないような安全・安価な技術が生まれると思っています。それにチャレンジするのが真の科学者です。

今話題のSTAP細胞の発見者・小保方晴子さんだって、科学誌に論文を初めに投稿したときには、「細胞生物学の歴史を愚弄している」と突き返されました。でも、くじけないで研究を続けた結果、あのような成果を得たのです。新エネルギーも核処理も、科学者が本当に真剣に研究すれば、必ず道が開けると確信しています。

原発を再稼働している間に、また大地震がくるかもしれませんから、その対策はきちんとやらないといけません。なし崩し的に再稼働するんじゃなく、よく検討して、ちゃんと科学者の意見も聞いてやるべきです。政治的に偏った、あるいは利権がらみの賛成派、反対派という科学者を使うんじゃなく、なんのしがらみもない純粋で真剣な科学者を再稼働のために研究させるべきでしょう。

原発は事故が起きれば危険です。しかし、事故が起きれば危険なものは、山ほどあります。飛行機だって、自動車だって、自転車だって、エレベーターだって、エスカレーターだって、遊園地のジェットコースターだって、電気ストーブだって、石油ストーブだって…、もう、ありとあらゆるものが危険です。その危険性を科学技術で制御しながら、安全に運用しているのが現代文明なんです。

というわけで、立派な弁護士先生や元総理大臣経験者さんは、都知事選で脱原発を叫んでなんかいないで、理系の若者に十分な研究環境を与えられるような活動をしてください。理系は地道な研究の積み重ねで結果を出すのです。選挙期間だけカッコイイことを言っていれば「いい仕事をした!」と勘違いしている文系候補者さんとは、仕事の質が違うんです。


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