小保方さんの会見は100点満点中、120点!


本日行われた小保方晴子さんの記者会見、ネット生中継で全て観ました。個人事業主の特権ですね。サラリーマンでは決してできません。独立して良かったあ~。それはともかく、ぼくの採点はタイトルの通りです。100点満点中、120点。昨日は「真摯に謝罪して沈黙を貫くこと」と書きました。会見では真摯に謝罪していましたが、沈黙どころか喋る喋る。でも、現代のベートーベン・モドキの会見に比べたら素晴らしかったと思いますよ。まあ、比べる相手が悪すぎるか・・・。

お作法がおこちゃまレベルだったのです

子ども科学者
120点というのは、「期待していた以上」という意味です。「現代のベートーベン・モドキみたいに責任転嫁に走るんじゃないか」とか、「弁護士にセーブさせられて形式的なことしか言えないのではないか」と予想していたので、たくさんのことが分かった今回の会見は、ぼくの期待値をはるかに超えていました。

それと、女性の特権かもしれませんが、おどおどしながらも一生懸命に説明しようとする姿や、泣いて謝られたりしちゃうと、やっぱり同情してしまいますね。自分の娘のように感じてしまって、「もういいから、またゼロから頑張りなさい」と言ってあげたくなりました。同情を抜きにしても、ぼくがどうしても知りたかったことは明確に分かったので、120点をあげちゃいました(小保方さんは、ぼくの採点なんて眼中にないでしょうけど)。

明確に分かったことの第一は、「やっぱり彼女はSTAP細胞の存在を信じているんだなあ」ということです。この信念がある限り、仮に理研から解雇されることになろうが、必ずどこかの研究室で研究を再開できます。科学者として、こういう信念を持っているということは、とても良いことです(STAP細胞の有無に関係なく)。

第二に、彼女自身に悪意はなかったこと。もちろん、理研の規定の中で定義されている「悪意」ではなく、一般用語としての「悪意」です。「成功してもいない実験を、成功したように見せかける」といったような「悪意」です。そういう意思はなく、野依さんや山中さんが言ったように「未熟」だっただけです。科学者としての倫理観やリテラシーが不足していたということです。

むろん、世界的な論文を発表するのに、そんな体たらくではダメに決まっています。たとえるなら、大学受験に小学一年生が臨むようなものです。お話になりません。でも、「みんなを騙して有名になってやろう」というような「悪い意思」は働いていなかったことが分かりました。そんなに心根の悪い人ではなく、単に「研究のお作法がおこちゃまレベル」だったということです。これは追々直していけばいいんじゃないでしょうか。ぜひ小保方さんの科学者生命を絶つようなことは、しないでいただきたいです。

問題点も明確になりました

ノート
第三に、小保方さんの実験ノートは2冊ではないということ。理研に突然求められたので、2冊しか提出できなかっただけで、理研以外で研究してきた時代のものも含めると(それぞれの研究室に置いてあるから提出できなかった)4~5冊はある、ということでした。それでも少なすぎますけど。(汗)

以前も書きましたが、ぼくの卒研時ですら実験ノートは1年間で6冊です。世紀の大発見に至った実験ノートが、2冊から4~5冊に増えたくらいでは全然説得力がありません。それを恥ずかしげもなく堂々と語ってしまうことが、お作法のレベルを如実に示しています。

しかも彼女は、「200回以上もSTAP細胞を作製している」と明言していました。だったら、実験ノートは数十冊~百数十冊のオーダーでしょう。4~5冊なんて、普通はあり得ません。

でも、彼女は嘘を言っているとは思えないし、実験をしていないとも思えません。「200回以上もSTAP細胞を作製」できていたのかは分かりませんが、200回以上実験していることは間違いないのでしょう。研究室で実験もせずにボーッとしていたら、いくら何でも話題になりますからね。ただ、その200回以上の実験記録を丹念に記してこなかったということです。これはもう、大学で研究のお作法を勉強し直すレベルです。それが分かったことも、120点をあげる理由です。

第四に、このような「おこちゃまレベル」の研究者を輩出した教育機関(早稲田大学)、そしてこのようなレベルの人の論文をチェックできなかった研究機関(理研)にも、重大な責任があることが明確になったことです。何のための博士課程、指導教授ですか。何のための組織、上司ですか。これで小保方さんだけが裁かれるとしたら、あまりにも不公平です。

小保方さんの行為は、理研の規定にある「悪意」の解釈は別にしても、故意であることは明らかです。文科省では研究不正について、次のように定めています

ただし、故意によるものではないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為には当たらない。

(1)捏造
存在しないデータ、研究結果等を作成すること。

(2)改ざん
研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。

(3)盗用
他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用すること。

写真を切り貼りしたり、違う写真に差し替えたことは、明らかに(2)に該当します。小保方さんは「故意ではない」と言っていましたが、無意識に切り貼りはしないでしょう。やはり故意です。違う写真に差し替えたのは「真正な写真だと思って間違った」と言いたかったようですが、そんな言い訳も通りません。大学受験をして、「おこちゃまレベルのミスをしたから合格にして」と要求するのは、論外です。

理研に不服を申し立て、それが通らず諭旨解雇になって、裁判で「不当解雇」として争うかもしれません。これは労働者の権利です。雇用の場を奪われたら生活に困りますから、外野が云々することでもありません。

でも、今回の120点会見の効果で、理研から解雇されても小保方さんを迎え入れてくれる研究機関は、きっとあると思います。あまり権利闘争に明け暮れるよりも、STAP細胞の存在を明確にすることに集中してほしいです。自己流ではなく、世界中の科学者が再現できるような「実験レシピ」を早く作って公開してほしいです。

裁判で理研に勝つよりも、研究成果で理研をぎゃふんと言わせてください。もちろん、STAP細胞があれば、ですけど。


“小保方さんの会見は100点満点中、120点!” への5件の返信

  1. 確かに、謝罪の気持ちは伝わり世間を欺く悪意が無かったようですから、その部分に関して合格点だと私も思います。
    でも、STAP細胞を信じる熱意は分かりましたが、あんな子供レベルに満たない御粗末な手法の論文をチェックできなかった、組織体質自体の問題もより深刻な気がします。
    今回の騒動を反省材料として、彼女が基礎からやり直せるチャンスを掴んで欲しいと同時に、厳正で開かれた科学倫理教育の必要性を痛感します。

    • 早稲田大学と理研の組織体質は、今後糾弾されるべき問題だと思います。しっかりと改善しないと、第二第三のおこちゃま科学者を世に出すことになります。

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