【イクメン道(3)】男は、守るべき家族を持ってこそ一人前になることができる


兵士就寝前、火の元の始末や戸締まりの確認をするのがぼくの日課です。確認をしながら、いつも心に思うことがあります。「戸締まりは万全でも、ガラスを割って賊が強引に押し入り、家族を襲ってきたらどうするか」ということです。

就寝中を襲われれば、ひとたまりもありません。そんな非常事態の中でできることといえば、自分の命が尽きる直前まで身を挺して家族を守ることだけでしょう。

長女が生まれて以降、このようなことを考えながら戸締まりを続けてきました。生まれたての愛らしい長女を見て、「どんなことがあっても、この子を守るぞ!」と誓ったことを忘れないためです。いざというとき、家族のために命を捧げる決意がなくては、一家の責任者とは言えませんから。

生身の人間である限り、危機に瀕すれば生存本能が優先的に発動します。就寝中に突然襲われれば、妻子のことなどすっかり忘れ、自分だけ逃げてしまうかもしれません。そんな醜態を家族に見せないよう、いつも「家族を守るために死んでも構わない」と決意しておかなければならないわけです。

もちろん、心配ばかりするのは精神衛生上、好ましくありません。しかし、平和になったわが国では、何事においても危機感がなくなり、「家族を守る」という父親の基本的な意識さえも希薄になっているように思います。

そのような「男らしくない男」が、職場の悩みを家庭に持ち込みます。上司や部下の悪口を妻子に話します。それではいけません。子どもたちは、そんな格好の悪い父親など尊敬しないのです。

子どもたちがあこがれるのは、強くて、厳しくて、優しくて、格好が良い正義の味方、スーパーマンみたいな父親です。何も武道家や格闘家になれというのではありません。心がスーパーマンになればいいのです。

ぼくにとって火の元や戸締まり確認の日課は、弱い心に喝を入れ、妻子のために命を捧げる決意を固める「儀式」なのです。

こういった「儀式」を続けているうちに、独身時代にはつらかったことが何とも感じなくなりました。例えば、毎朝早く出勤することはつらくありませんでした。徹夜の仕事もつらくありませんでした。仕事上のトラブル解決のために奔走することもありましたが、やはりつらくはなかったです。

むしろ、家族のために心身を削っている自分が誇らしいとすら感じ、苦労が喜びに変わってきました。人知れず世のために尽くすスーパーマンと、同じような心になってきました。

男は、守るべき家族を持ってこそ一人前になることができると思います。そして、そんな男らしい父親を、家族は誇りに思うのです。


【イクメン道(3)】男は、守るべき家族を持ってこそ一人前になることができる” へのコメントが 2 点あります

  1. 家族を守る為に、という思いが大変な仕事等においてもつらくないと思えるなんて素敵ですね!

    • いかに思い込むか、ということは人生において大切だと思います。もちろん、良い意味での思い込みですけど。

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