東日本大震災以降、原子力発電の再稼働が遅々として進まない中で、必要とされる電力は減ることがないため、供給が厳しくなって久しいです。そしてついに6月26日、経済産業省は初の需給逼迫注意報を発令しました。
電力逼迫で初の注意報 経産省、27日に東電管内(日経新聞2022年6月26日16時26分)
経済産業省は26日、東京電力管内で27日に電力需給が厳しくなる見通しとなり、初めての需給逼迫注意報を発令した。想定よりも気温が高くなり、同日夕に電力の最大需要に対する供給の余力を示す予備率が5%を下回るとみる。3月の東北地方での地震の影響などで火力発電の供給力が落ちているところに、猛暑による需要増が追い打ちをかける。
ぼくは、今のように電力逼迫の事態に陥ったのは、政府に大きな責任があると思っています。これまで打ってきた対策は、無策、あるいは愚策だったと思っています。
もともと原発が稼働していたから電力供給がうまくいっていたわけですから、その原発が動かせなくなったら電力不足になるのは、小学生でも分かる算数です。それなのに、東日本大震災以降の11年間、有効な対策が打てなかったのですから、今日の電力逼迫を招いたのは自明の理です。
再生可能エネルギーだのと、きれいごとを言ってきましたが、それが失われた原発分の電力を生み出せると本気で考えていたとは思えません。本気でそう考えていたならば、それこそ阿呆です。そもそも再生可能エネルギーと称しているものだって、原発同様、自然環境に深刻なダメージを与えるものです。
再生可能エネルギーなんて欺瞞です(当ブログ2016年5月31日)
原発を全廃または縮小した分の電力を太陽光発電でまかなおうとすれば、太陽光パネルを設置するために広大な土地が必要です。その土地は当然、日陰になります。多くの動植物から太陽光エネルギーを奪うことになるのです。その結果、多くの動植物が死に絶えるのです。
風力発電も同じです。風力発電所の風下では、風が弱まります。「風車を回したくらいで、風が弱まるもんか」という考えは、間違いです。電力に変換されたエネルギー分だけ、風力が減衰するのです。実際に風力発電所の周辺では、風が弱くなっていることが観測されています。業界では常識です。
また、発電すると必ず熱も発生します。これは、どんな発電でも同じです。必ず電気エネルギーと共に熱エネルギーが発生するのです。従って、風力発電所の風下では、生暖かい風がゆっくり吹くことになります。
風は、無駄に吹いているわけではありません。例えば、花粉を運んで植物の受粉を促します。ひんやりした風が吹くから、植物の葉から水分が蒸発散して成長を促進します。生暖かく弱い風が吹けば、風下の植物はたちまち死に絶えるでしょう。風力発電所を増やせば増やすほど、植物が消えていくのです。
太陽光発電にしろ風力発電にしろ、そもそもお天気次第でどうにでもなってしまう仕組みなのですから、安定供給など無理です。
さらに、地球温暖化防止だといって、二酸化炭素を排出する火力発電所の整備を疎かにするものだから、この5年間で火力発電所の供給力が1,600万キロワット540万世帯分も減っています。
国内の火力発電所 廃止や休止相次ぎ 5年で供給力540万世帯分減(NHK 2022年6月13日15時44分)
2017年度からの5年間で、火力発電所の廃止や運転休止が相次ぎ、新たに稼働した分を差し引いても、供給力がおよそ1600万キロワット減っていたことが、資源エネルギー庁への取材でわかりました。
これは、標準的な家庭に換算すると、およそ543万世帯分に当たり、急激な火力発電の減少が、今の電力不足を招いていることが浮き彫りとなりました。
また、去年以降、発電を始める予定だった主な発電所で建設が中止となったのは13基、合わせておよそ1000万キロワットにのぼっています。
背景には、太陽光発電が普及する中、火力発電所の稼働率が低下し、採算が悪化していることや、世界的な脱炭素の流れで、二酸化炭素の排出が多い火力発電所への投資に厳しい目が向けられていることなどがあるとみられます。
東日本大震災前(2011年2月時点)と現在(2021年度)の日本の電源構成の比較は下記のとおりです。
2011年(%) 火力63.1、原子力31.3、水力5.1、再エネ 0.5。
2021年(%) 火力71.7、原子力 5.9、水力7.8、再エネ14.6。
結局、ほぼ火力発電に依存しているにもかかわらず、その火力発電も「地球温暖化防止!」の号令の下、どんどん衰退しているのです。しかも、電気自動車だの、オール電化住宅だの、電力をバンバン使うように産業界や国民を誘導しているのも政府です。これで電力不足にならないと考えていたのだとしたら、バカ丸出しです。
そんなバカ丸出し政府は、6月24日、今度は電力需給の逼迫への対策として、節電ポイントなるものを始めようとしています。
政府の節電ポイント、参加する家庭にまず2000円相当を付与へ(ITmedia NEWS 2022年6月13日15時44分)
政府が検討を進めている「節電ポイント」施策では、参加する家庭にまず2000円相当のポイントを付与し「もう1段の節電」をした場合に電力会社が実施する節電ポイントに国が上乗せする形で支援する形を検討している。木原誠二官房副長官が6月24日午前の記者会見で明らかにした。
たとえるなら、自分で火をつけて火事を起こしておいて、今度は燃えている家屋の住民に「おまえらが消火するんだったらカネをくれてやるぞ」と言っているのと同じでしょう。
あーあ、もうちょっとまともな政府になってほしいなあ。「次の参院選に期待したいです」と締めくくりたいところですが、そうやって何十年も政治に期待してこの体たらくなので、猛暑と相まってげんなりですわ。
確かに、げんなり ですねえ。
政府の無策~愚策。おっしゃる通りですねえ。
しかし、その政府の方々を選挙で選んでいる
のは 我々 ですので、我々=愚民 ですねえ。
この歴史を振り返ると本当に時間が
かかっていますが、人類は 善し とされる
方向にゆっくりゆっくりと進歩しているのも
事実じゃないですか。
いつぞやのメッセージにあったような・・・・
モーセに率いられた人々が21日でカナンの地に
行けたのに、あーだこーだ と言って 40数年
費やしてしまった。モーセ自身はカナンの地に
入れなかった・・・みたいな。
さらにこれもいつぞやのメッセージにあったかも
ですが、イエスキリストが サタンから「この石
をパンに変えよ」と試練を受けたときに、「人は
パンのみによって生きるにあらず・・・」と
言い放ちサタンの誘惑をしりぞけたのですが、
結局愚民は、それを9回石をパンに変えてしまい
その都度後悔して10回目にようやく誘惑を退ける
・・・みたいな・・・・。そんな事を繰り返し
ながら生きてきた・・・・みたいな。
最初の話に戻ると、「皆さんを幸せにします」
と言った政治家を選ぶのですが、それが愚策に
なるのは「皆さんを幸せにします」という話が
嘘なのでしょうか。その 嘘 を見破れない
から 愚民 になるのでしょうか。まあ、
選挙の時は 嘘 を言っているようには見えない
のですがねえ。
選挙のときは嘘を言ってない政治家のほうが多いと思います。
これは政治家に限らず、社会人一般、もしかしたら学生も含めて言えることだと思いますが、株式会社なり、その他の団体なり、あるいは学校なりに入ろうというときには、目標や夢を抱いていることが多いはずです。
しかし、いったんその組織の一員となると、その組織の事情、ならわし、因習、悪習に縛られてしまうことが多い。それにより初志貫徹できない人が多いというか、大半ではないでしょうか。
だから、選挙民が本当に選ばなければならない候補者は、その目標はもちろん、初志貫徹できるだけの気力・体力を持っている人なのでしょう。しかし、残念ながらそういう見極めが難しいものだがら、またげんなりしてしまうのですねえ。