地球温暖化は、人類に与えられた10万年に1回の恵み


氷河「人間が排出する二酸化炭素が温暖化を引き起こす」と結論付けることは短絡的です。気象とは単純系ではなく複雑系の現象です。グローバル(地球的)な視点、さらにはユニバーサル(宇宙的)な視点で考えるべき現象なのです。

東北大学大学院理学研究科大気海洋変動観測研究センターでは、南極のドームふじ基地で氷床を深くまで掘削して、氷の中に含まれる空気成分を分析しています。その結果、過去34万年間の南極における二酸化炭素とメタンの濃度、および気温を求めることができました。

 icecoregraph

このグラフから、気温と二酸化炭素濃度とメタンガス濃度の変動は、見事に連動していることが分かります。黄色に塗った期間は間氷期といい、温暖化が起きていることを示します。34万年間で4回、約10万年ごとに温暖化が起きていることが見て取れます。

現在も、この間氷期に入っているのです。南極の平均気温は-50℃で極寒の地だといわれていますが、これでも暖かいのです。氷期には-70℃近くまで下がることもあるのです。

10万年ごとに温暖化が起きているということは、明かに周期性が認められます。この調査結果だけをみても、「人間が排出する二酸化炭素が温暖化を引き起こしている」という仮説がおかしいと考えられます。今から34万年前には、人為的に二酸化炭素を排出する工場も火力発電所も自動車もないからです。

しかし、気温が高い間氷期には二酸化炭素濃度も高くなっています。「やはり地球温暖化は、二酸化炭素の増加が原因なのだ!」と早合点しないように。この事実から分かることは、「気温の増加と二酸化炭素の増加には相関関係がある」ということだけです。どちらが原因なのか、はたまたどちらも原因でないのか、そういうことは分かりません。

例えば、全く逆のことも考えられます。つまり、「二酸化炭素の増加は、地球温暖化が原因である」ということです。水や土に溶けていた二酸化炭素が、気温が上昇したことで空気中に出てきたというわけです。気体というのは、温度が上がると出てくるのです。むろん、これも仮説に過ぎませんが、「地球温暖化は、二酸化炭素の増加が原因である」という仮説と等価です。

では、約10万年ごとに、周期的に温暖化が起きる原因は何でしょうか。最も有力な原因だと考えられているのは、ミランコビッチサイクルです。

Milankovitch

南極氷床の分析による気温の周期変化は、約2万年、4万年、10万年の、3つの周期変動を合成した曲線になっています。この周期変動は、上の図に示すような地球の運動に対応しています。

地球の公転軌道の離心率(楕円がどの程度、真円に近いかを示す値)は、約10万年の周期で変動します。地球は、全く同じ軌道を回るのではなく、楕円の形を微妙に変えながら回っているのです。その周期が10万年なのです。

地軸の傾きは、22.1°から24.5°の間を変動しますが、この周期は約4万年です。

さらに、春分点の歳差現象の周期は、約2万年です。(上図のB)

この3つの周期変動が、地球の気象に大きな影響を与えているというのが、ミランコビッチサイクルです。なぜ気象に影響を与えるのかといえば、太陽の熱を受ける「地球の姿勢」が変化するからです。

公転軌道の離心率が大きければ(細長い楕円)、長径に位置したときには普段よりも太陽から遠くなるので気温が下がり、短径に位置したときは逆に普段より気温が上がります。

地軸の傾きが大きくなれば(つまり24.5°に近づけば)、夏は暑く、冬は寒くなります。

春分点の歳差は(B)を見れば明らかなように、現在では近日点付近で冬至を迎えていますが、1万1500年前には近日点付近は夏至でした。冬至は、1年間で昼間が最も短い日、冬至は昼間が最も長い日です。つまり、1万1500年前には、太陽に最も近い近日点に、昼間が最も長い夏至を迎えていたので、現在の夏よりも暑かったことになるわけです。

このミランコビッチサイクルによって、太陽熱による地球の暖められ方が周期的に変化するため、気象が周期的に変化しているのです。そして、3つの条件が全て地球を暖める方向に働く時期が、約10万年に1回訪れるのです。

地球規模、宇宙規模の視点でみれば、今の地球が間氷期(温暖期)に入っていることは、何も驚くことではありません。自然のプログラムに則った現象なのです。

また、このような長期的な観点で考えるならば、地球温暖化を心配するよりも、いずれ必ず訪れるであろう氷期(寒冷期)をどう乗り切るかについて、もっと真剣に考えるべきでしょう。南極の平均気温が20℃も下がってしまうのです。日本も温帯から寒帯になってしまうかもしれません。もう、いつ間氷期が終わってもおかしくない時期にきているのです。

そういう意味では、地球温暖化は人類に与えられた10万年に1回の恵みです。今の間氷期に、もっと科学技術を発展させていかなければ、今後10万年続く極寒の期間を乗り越えられる人類は、あまり多くないでしょう。


“地球温暖化は、人類に与えられた10万年に1回の恵み” への2件の返信

  1. 乞う 拡散!

    まあ実際、地表の気温は気圧(重力場=引力)による。・・熱力学第一法則、ボイル・シャルルの法則 PV=nRT(V:一定)。

    その気圧に影響するのは地球の質量と、大気の全質量。

    大気のほとんど99.99%は窒素と酸素、だから正確に言えば地球地表の気温(+33℃)は窒素、酸素(の質量)によるということができます。
    〈33℃は、窒素・酸素による大気の質量効果)

    希ガスである二酸化炭素は、この点からも大気の温度(気温)に全く関係がない。

    Falsification Of The Atmospheric CO2 Greenhouse Effects Within The Frame Of Physics

    この論文では、いい加減な論ではなく、そもそも「二酸化炭素地球温暖化シナリオ」の基礎になる「温室効果」〔再放射〕というそのものが間違っている(第一種・第二種永久機関メカニズム)ということから理論物理から詳しく述べられているのです。
    「再放射」というのは、「地球温暖化論」の依拠している根幹の部分、「最初に温暖化ありき」の部分です。
    「温室効果」(再放射)によるとしている「二酸化炭素地球温暖化シナリオ」の存在そのものが、土台から吹き飛んでしまう非常に大きなことでしょう。これまでの不毛ないいかげんな議論に終止符を打つ決定打である。

    しかも、今まで議論されてこなかった基本的な部分ゆえ、これに「反論」を加えるのは至難の業。(素粒子論を含むすべての物理法則で一番基本的な熱力学第一・第二法則を否定しない限り無理。)

    「二酸化炭素地球温暖化シナリオ」というものを固く信じていらっしゃるかたも「懐疑論」の方もまずこの論文を精読す必要があるでしょう。

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