組織のルールを組織の構成員が変えるのは極めて難しい


議論
こんな記事を読みました。『会社をダメにする「謎ルール」――それを変えるのはあなたの仕事』。組織には変なルールがあって弊害になっている、そのルールを変えるのは上司だ、というような論旨になっていました。

「それはどうかなあ」というのが、ぼくの感想です。組織というものは、織物のようにいろんなものが絡み合って、関係し合って形成されています。織物の糸を安易に引っ張ったら、思いもよらないところがしわくちゃになります。同様に「こんなルール、おかしい」と思って安易に手を付けたら、思ってもみなかったところに影響が出て、思ってもみなかったところから陰に陽に反対されたりするものです。

そもそも、上司であろうが部下であろうが、組織の構成員である限りにおいては、その組織のルールを変えることは極めて難しいと思います。なぜなら、それって、その組織にとってはクーデターに近いからです。そのルールがあってこそ、生存している組織だからです。

組織には、常に組織を守ろうとする力学が働きます。ルールの変更なんていうことは、その力学にとって最大の脅威ですから、全力でつぶそうとしてきます。ですから、いくら上司だからといって、格好付けてむやみにルールを変えようとしないことが肝要だと思います。

そもそも、その上司だって、その組織のルールに則って出世してきたわけです。つまり、今の自分の地位はルールの結実です。そのルールを変えようというのは、完全なる自己否定です。とてもじゃないけども、生半可な気持ちでは無理です。

逆に言いますと、今までの自分の人生を否定する覚悟を決めないと、やってはいけない行為だと思います。組織全体を挙げて反対もしてきます。失職覚悟で、退路を絶ってやらないといけません。

本当は良くないことですが、組織には「ルールを守らせる仕事」をしている人もいます。ルールを変えようという行為は、こういう人にとって仕事を奪うことにもなるから、強烈に反対するものです。気を付けたいです。

何だか組織擁護論者のような文章になってしまいましたが、ぼくは全く逆です。「組織なんか、くそ食らえ」という人間です。だから会社も辞めました。

驚くなかれ、組織のトップであり、人事権がある社長であったぼくが組織のルールを変えようとしたときも、ものすごい反対に遭いました。会社を辞めたのは、それが直接的な原因ではありませんけれども、遠因にはなっています。それくらい、組織のルールを変えるって難しいことなのです。

組織内改革を目指す方は、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、ぜひ十分に覚悟と決意を固めてから実行してくださいませ。


組織のルールを組織の構成員が変えるのは極めて難しい” へのコメントが 3 点あります

  1. 人が形成する組織は何の為に存在するのかと言うと、所属する各人にメリットを提供できないと無意味だと思います。
    組織が生まれる時はビジョンと理念による存在意義があったはずなのに、構成員の意向を外れ怪物のように化す体質が生じる原因は何なのでしょう?
    組織のトップであっても既存の運営ルールを改善できない体質は、既に腐敗寸前なのかもしれません。
    新たな次元のフィールドでビジョンと理念を創るにも、やはり人々が機能できる共同体が必要でしょう。
    組織も人と共に成長して進化して行くものでしょうかね。

    • 企業や団体などの組織も、人体と同じようなものだと思っています。つまり老化するので、永遠に存在することは難しいです。しかし、人体の各細胞のように新陳代謝を繰り返していけば、かなり長い期間存在することはできると思います。

      それでも寿命というものはあります。人体の寿命がきているのに、人工心肺や臓器移植したりして生命を存続することは、いかがなものかと思います(もろん悪いとは言いませんが)。なんだか、つぎはぎされたサイボーグみたいな感じで「本当の自分」が生きているという感じはないです。

      もし魂があるのならば、そうやって肉体の命を長らえるよりも、魂の世界に旅立って「本当の自分(魂)」になることが良いのではないでしょうか(魂があればね)。

      それと一緒で、企業や団体などの組織も、寿命がきているのに存続にこだわってつぎはぎだらけにすると、「構成員の意向を外れ怪物のように化す」のだと思います。いさぎよく解体して、新しい「魂の次元」に昇華するほうが良いのだと、個人的には思っています。

  2. 檻の中にいる複数の猿に、バナナ取ったら放水する実験を思い出した。

    組織の中にいる複数の人間に、ルール破りしたら懲罰する構造と似てる。

    一番大事なのは変えるか変えないかではなく、ルールの目的を明確にして全員に周知すること。

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