野々村議員の衝撃的な号泣会見を文字に起こしてみました


兵庫県の野々村竜太郎議員(47)が記者会見で号泣し、話題となっています。城崎温泉などに1年間で計195回の日帰り出張をして、政務活動費から交通費約300万円を支出、しかも領収書なし、ということで追及されての号泣会見でした。ネットでは「マジやばい」とか「これ、ギャグなの?」というあきれた声が飛び交っています。

ぼくは初めに、テレビのニュースでこの号泣会見を知り、びっくりしました。会見全部を見たいと思っていたところ、YoutubeのANNnewsCHにかなりの分量の動画が公開されていました。関心のある方は、ぜひ一度ご覧になってください。

この号泣会見、全編に突っ込みどころが満載なのですが、その中でも号泣に至った7分40秒の部分について、文字起こし(書き起こし、テープ起こし)をしてみました。

お楽しみの前に、文字起こしについての「うんちく」を少々

ぼくは元新聞記者で、現在は映像編集の他に文字起こしの仕事も受注しているので、こういうことは朝飯前です。この会見があまりにも衝撃的だったので、お金をもらう仕事ではなく、ボランティアで起こした次第です。

テープ起こしは大きく分けて、素起こし、ケバ取り、整文、という方法があります。素起こしとは、しゃべっている音をなるべく忠実に文字にすることです。ケバ取りとは、「えー」や「あのー」など、文脈に影響のない音(これをケバという)は省いて起こすことです。一般的に、素起こしよりもケバ取りの方が、文章としては読みやすいです。

整文とは、ケバ取りをしたものをさらに整えること。しゃべり言葉は語順や文法が正確ではないことがありますので、そういうものを修正し、ちゃんとした書き言葉にすることです。

受注の中で圧倒的に多いのは、ケバ取りです。今回の記者会見などでもそうですが、新聞社や雑誌社などでは、取材音声をまずケバ取りで起こします。この作業は外注することが多いので、ぼくにもお仕事が回ってくるというわけです。その後、掲載媒体用に編集者が整文していくという流れになります。

文字起こしの仕事をしていると、発言者の頭の良し悪しがよく分かります。優秀な人って、「素起こし=ケバ取り=整文」に近い状態でしゃべっているのです。つまり、「えー」とか「あのー」といったケバはなく、語順も文法もしっかり話しています。

今回の野々村議員の会見は、とても特殊です。ケバ取りをしたら、逆に何を言っているのか分からなくなります。「ケバだらけ」ということですね。上記の例に当てはめると、優秀とはとても言えないですねえー。

というわけで、野々村議員の号泣会見(7分40秒の部分のみ)、素起こしバージョンをお読みください。

野々村議員の号泣会見、文字起こし(素起こしバージョン)


あの、大人の社会人としてこういうご指摘を真摯に受け止めて、えー、私としては、あのー、実績に基づいて、適正、ショダンテツに基づいて報告しておりますけれども、議員という大きな立場からむれ・・・見れば、ご指摘をやはり真摯に受け止めて、どこかで折り合いをつけなければ、あのー、大人じゃないと思うんですよ。

ですから、あのー、私はその、議員という本当にもう、あの、僕はあの。小さな子どもが大好きで、本当に子どもが大好きなんで。ですから、もう、そういう子どもたちに本当に申し訳なくて。こんな、あの、大人で、県民の皆さま・・・私も本当にもう、死ぬ思いで、あの、死に死に、死ぬ思いでもう、あれですわ。あっ、あの一生懸命、落、落選に落選を重ねて、見知らん西宮市に移り住んで、やっと県民の皆さまに認められて選出された代表者たる議員であるからこそ、本当にこうやって報道機関の皆さまにご指摘を受けるのが、もう本当に辛くて、情けなくて、もう、子どもたちに本当に申し訳ないんですわ!

ですからー、げふん。皆さんのご指摘を真摯に受け止めて、議員という大きな、くっ、カテゴリーに比べたら、政務調査費、政務活動費の、うう、報告の、ねー。折り合いを付けるっていう、へふへふ、ことで、もう一生懸命・・・本当に、へふへふ、少子化問題、高齢、ええあははあーん、高齢者問題はわが県のみ、どぅあははははーん、わが県のみおわはあーん、わが県のみならず、にし、西宮・・・日本人の問題じゃないですか!

そういう問題うぉほうおー、解決したいがために、はぅ、俺はねえ、うはあははーん、誰がねえ、誰に投票しても、おんなじやおんなじや思って、うはあははーん、あーん、ずうーっと投票してきたんですわ。せやけど変わらへんから、そやったら私が、はぅ、はぅ、立候補して、文字通り、うはあははーん、命がけでえーへーうわはーん、うぇん、ふん。

サトウ記者! あたなには分からんでしょうねえー! 平々凡々とした川西市を退職して、本当に誰が投票しても一緒や、誰が投票しても・・・じゃあ、俺が、立候補して、この世の中を、うははあーん、この、この世のねうひゃあーうん、あああーん、あーん、この世のなはあん、ああーん世の中を、変えたい! その一心で、へぅ、へぅ、一生懸命訴えて、西のみられ、縁もゆかりもない西宮市民の皆さまに選出されて、やっと議員になったんですぅっ!

ですから皆さまのご指摘を、県民の皆さまのご指摘と受け止めてへへえーん、ああーん、うはあははーん、あーん、っぇん、っぇん、ああはんぐぇーげん、あはあはあーん、あーん、ご指摘と受け止めて、あーんあーん、あはははあーん、ご指摘と受け止めて、一人の大人として社会人として・・・折り合いを付けましょうと。

そういう意味合いで、自分としては、何で、へぅ、へぅ、実績に基づいてきっちり報告してんのに、なんで自分を曲げないといかんのやと思いながらも、もっと大きな目標! すなわち、本当に少子高齢化を自分の力で、議員一人のわずかな力ではありますけれども、解決したいというふうに思っているからこそほぅ!

ご指摘の通り、平成26年度には195回行きました! 301万円、支出させていたぁきました! 日帰りでございました! そのご指摘を真摯に真剣に受け止めようとするから、一人の大人として、何とか折り合いを付けるところで折り合いを付けさせていただいて、もっと大きな目標! 議員として、少子高齢化を少しでも解決すべく、議員として活動させていただきたいからこそ、こらえにこらえて、何とか折り合いが付くように・・・訂正、返納という形を事務局と相談さしていただいて・・・ただ、議員個人じゃなくて、これは議会全体の問題に関わることかもしれないという恐れがあるから、議員個人としての記者会見であり、議員個人としてお約束できる範囲でしっかりとお約束させていただく。

ただ、私自身も議長に、議長に何回も何回も選出されたいと願っておりましたけれども、選出されず、やはり、えげへ、議会の、あの、他の先生方のご意見も真摯に受け止めなければいけない。そういうスタンスに立って、もう腹の中ではこらえにこらえて、それで何とか、あのぅ、ご指摘はもう、適正なものだと認め、事務局と相談して、訂正、返納ということも踏まえて、ぎ、議会、議会で、他の会派、議員の先生方との整合性をとら、とらまえるということが、今ここの私個人の記者会見としては、しっかり公の場としてはお約束しかねると。

そういう意味合いにおいて、何とかご指摘のことは本当に真摯に受け止めて、折り合いを付けさせていただきたい。なぜかと言えば、議員というそういう大目標の中に・・・もちろん政務調査費、政務活動費、ものすごく、だい大事ですよ。大事ですけれども、議員というそういう大きなくくりの中では、ごくごく小さいものなんです!

(以上)

税金を使う資質はないですね

お金
こういう人が税金を使ってほしくないですね。文脈からは、「自分には議員としてやるべき大目標があり、それに比べたらこの問題なんて小さなことなんだ」というおごりが、ありありと伺えます。全然、悪いと思っていないから、メディアに追及されたものだからブチ切れてしまったのでしょう。

「折り合いを付ける」という語を連発しているのですが、何と何に折り合いを付けるのでしょうか? 「小さなこと、たいしたことじゃない」というこの問題と、メディアから指摘に折り合いを付けるということなのでしょうか? よく意味が分かりません。支離滅裂としか言いようがありません。

こういう人が、国民、県民の税金を使って活動し、お給料にしていることは許せないです。即刻辞職してほしいです。少子高齢化問題を解決したいという志を抱いて、何度も選挙にチャレンジして当選したことは素晴らしいです。でも、はっきり言って、野々村議員がいなくても、少子高齢化問題は誰かがちゃんと引き継いで解決のために働いてくれます。安心して辞職してください。

大義をうんぬんする前に、社会人としてのモラルを守ることが先決です。どんな会社だって、出張したら電車代は領収書をもらってきます。ところが野々村議員は領収もなく300万円を使ったというのです。もう、卒倒してしまいます。

もっとモラルをもって行動してください。子どもたちの教育にも良くないです。子どもが大好きだというのなら、どうぞ潔く辞職し、議員として最後くらいは子どもたちに模範を示してくださいませ。


“野々村議員の衝撃的な号泣会見を文字に起こしてみました” への5件の返信

  1. 娘が小学高学年だった頃に「ダダのこね方がわからない」と真剣に相談されて、、、本当に赤ちゃんの頃から空腹時にしか泣かない子だったので、この時期が最後のチャンスかも知れないと、コーチしてあげた事がありました(笑)

    「自分以外の目にどう映るかとか、自分の発言にツジツマが合っているかなんか一切気にしてはダメよ!!ただ、ひたすらに自分の欲しいものだけを考えて行動するの、それがダダと言
    うものよ!!」

    娘は、しばしダダらしいものをこねてみたものの、私がコーチに飽きるより前に「本当にコレ私のスタイルじゃないわ」結局、論理的な対話によって当時の要求事項を解決しました。

    それにしても、まさか日本の議員さん全部がこうではないのでしょうね?(海外在住が長いので、本気で不安になります、笑)

    • 雪の女王さん。いらっしゃいませ。

      さすがに全部がこんなふうではないと思いますが、全国の議員さんと面談したこともないから実際のところは分かりませんね。

      結果的にこういう人が当選しちゃっている現実があるのですから、日本在住が長いぼくでも不安です。

  2. 会見の様相を見てビックリ仰天、卒倒しそうになりました。
    喋っている内容をそのまま文章で読んでも、支離滅裂で意味不明です。
    まるでアダルトチルドレンのように、病的な機能不全を抱えた大人にしか見えません。
    真摯に反省して、早急に職を辞するのが当然だと思います。
    都議会のヤジも醜かったですが、これはその上手を行きますね。(笑)
    よくこんな人達が議員をやっているとは、日本の政界に私も不安を駆られます。

    • 未来太陽さん。
      話していることを文字に起こしてみると、その人のレベルが分かるものです。優秀な人は、話し言葉がほとんどそのまま書き言葉にできます。

      今回は「これでもか」というくらいの悪例ですが、我々も注意しませんと結構自己満足の言葉を話してしまうものです。いったん頭の中で文章を整理してから話すようにしたいものですね。

  3. ピンバック: 2014年流行語大賞ノミネート50語。意味を調べてみた!

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