古来、日本に生息してきたタンポポは、6月から9月にかけて葉を落とします。背の低いタンポポは、周囲に背の高い植物が茂る季節には日光を得られず、エネルギー不足に陥るからです。夏バテしないように葉を落とし、周りの植物が枯れるまでジッと待つのです。
日本にはセイヨウタンポポという外来種もいます。原産地のヨーロッパでは、背の高い植物が周りにいない牧草地で生息してきたため、季節を選ばずに発芽します。繁殖力は極めて旺盛ですが、日本の草地では不利でした。
その草地が、都市化で減りました。競争原理だけで自然界が動いているならば、セイヨウタンポポが大繁殖したはずです。
ところが、なんと日本タンポポとセイヨウタンポポの混合種が誕生したのです! タンポポの国際結婚です。今では、都市のタンポポの9割が混合種です。これこそ真の共生です。
人種や宗教が異なる人類の共生に国際結婚が有効であることを、タンポポが教えてくれているのかもしれません。