COP21と従軍慰安婦問題の「歴史的な合意」に共通すること


嫌な雲行き
昨年末に、2つの「歴史的な合意」がなされました。COP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)と従軍慰安婦問題です。どちらからも、希望よりも不安しか感じられず、あまり良い年明けを迎えられませんでした。

COP21とは、要は人間が出す温室効果ガス(主に二酸化炭素)で地球が温暖化してしまうのを防ぐために行ってきた会議の21回目ということです。ぼくはそもそも地球温暖化が本当に起きているのか、また仮に温暖化が起きていてもそれで地球が大変なことになるのか、という懐疑論者です。ただし、そのことは今回の記事に直接関係がないので割愛します。関心のある方は拙稿『科学盲信警報発令中!』、特に『第1章 科学にだまされるな! 3. 地球温暖化のウソ』をお読みください。

結局、COP21では各国が温室効果ガスの排出量を削減する努力目標が合意されただけであって、拘束力のあるものとはなりませんでした。

COP21 パリ協定合意へ 削減、実効性に不安

 だが、合意を優先して妥協を重ねた結果、文書から対立点は削られ、あいまいな表現も目立つ。途上国の環境NGOのメンバーは「きれいな言葉だけが並び、削減に向けた義務が担保されていない」と語った。
(中略)
 パリ協定の最大の目的は、温室効果ガスの削減だ。「本来は、各国の削減目標の達成を義務化し、達成できない場合には罰則を設けるといった強制力が求められていた」(国連関係者)。だが、連邦議会上下両院で温暖化対策に消極的な野党・共和党が多数を占める米国に配慮した形で、達成の義務化は見送られた。

合意できたことに意義があるという意見もあります。そりゃあ、合意できないよりできたほうがいいに決まっています。しかし、その約束を守らなくてもなんのペナルティーもないようでは、実効性は極めて乏しいといえます。

もし、温室効果ガスが増えたら地球が大変になってしまうということを、各国が真剣に憂えているとしたら、こういう曖昧な決着の仕方はしないはずです。例えば、映画『ディープ・インパクト』のように、巨大な隕石が確実に地球に衝突することしたら、人類はあらゆる手段で対策を講じるでしょう(参考:映画『ディープ・インパクト』のあらすじ、感動のラストまで【ネタバレ注意】)。これに比べたら、COP21の「歴史的な合意」における本気度はゼロに近いです。危機感など微塵も感じられません。

日韓の間に横たわってきた従軍慰安婦問題の合意も、全く同じに思えます。

「屈辱的だ」韓国で大規模抗議集会 慰安婦像国内外に増設宣言も

 日韓外相会談での合意で慰安婦問題が最終決着したにもかかわらず、韓国では元慰安婦や支援団体が、日本側の「真の謝罪」や法的責任を求め、強硬に反発している。日本との合意を受けた韓国政府による元慰安婦の女性らへの説得や、ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去は難航している。

 ソウルの日本大使館前では30日、日韓合意から初めてとなる抗議集会が開かれ、元慰安婦や支援団体のほか、高校生や大学生らを含む300人以上が日韓両政府を激しく非難した。

今までの韓国内の情勢を考えれば、このような反発が起きることは分かり切っています。韓国政府は、こういう反発をどう治めるつもりで「歴史的な合意」をしたのでしょうか。その方策が合意内容の中に一切触れられていません。

もともと日本政府は、国際的な問題解決の手続き上、従軍慰安婦問題は既に解決済みだという立場でした。しかし、韓国側の根強い反発が続いて、両国の関係が最悪になってしまったために、今回再度合意したという流れです。つまり、今回合意したって、また韓国民の反発が激化したら、韓国政府は再び問題を蒸し返す可能性はあるわけです。

拘束力のない合意ですから、そんなことは当たり前でしょう。特に韓国政府が、これまで反発してきた国民をどう説得するのかという方策を提示していない合意なのですから、やはりCOP21同様、本気度ゼロに近いです。極論すれば、大統領が変わったらちゃぶ台返しなんていうことも十分あり得る話です。

COP21と従軍慰安婦問題の「歴史的な合意」に共通することは、国外へ向けたアピールと国内における実効性に、乖離があり過ぎるということです。要は、本気度ゼロということ、本気でやる気がないに等しいというです。これが外交だといえばそれまでですが、何とも嫌な気分で年末年始を迎えました。

もっと本音で話し合って、真の決着ができる世界になってほしいものです。21世紀は、そういう世紀になってほしいと思う次第です。


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