亀田ファミリーの危機と、タレント弁護士の興隆


勝負はリング上だけにしてほしかったです。ボクシング選手の亀田興毅さんと和毅さんが、日本ボクシングコミッション(JBC)職員に訴えられました。試合の会場内に監禁され、脅迫されて精神的な苦痛を受けたとして、1,000万円の損害賠償を求められています。亀田兄弟の代理人をつとめる北村晴男弁護士は、「監禁や脅迫行為などの事実は一切ない」と否定しています。

チャンピオンが多すぎて、よく分からないボクシング界

ボクサー

ぼくはボクシングには詳しくありません。ニュースでは、亀田興毅さんが世界三階級制覇王者という肩書き、和毅さんがWBO世界バンタム級王者という肩書きなのですが、すごいのか、たいしたことはないのか、正直なところ分かりません。

もちろん、「王者」というのですから、すごいんでしょうけど…。でも、ぼくらが若いころ、具志堅用高さんがチャンピオンだった時代のように、チャンピオンの希少価値は現在のボクシング界には感じません。なんだか知らないけど、たくさんのチャンピオンがいるので、違和感だけがあります。

それはともかく、リード文にも書きましたが、リング上で闘うのがお仕事のボクシング選手なのだから、法廷に行ってまで闘争しないでほしかったです。もちろん、JBC職員が訴えたのであって、亀田さん側が好きこのんで法廷闘争をしているわけではありませんが、言動には注意するべきだったと思います。

本当に監禁や脅迫をしたのかどうかということは、両者の言い分が異なりますから、法廷での決着を待つしかありません。ただ、ボクシング選手というのは、ぼくのように軟弱な男とは対照的にすごく強いんですから、ちょっと凄まれただけでも恐怖心を感じると思います。誤解されるような言動はいけないです。

ぼくは、タレント弁護士は嫌いです

テレビ

亀田兄弟の代理人が北村晴男弁護士というのも、違和感(いわかん)というか「いやな感じ」がします。亀田ファミリーを有名にしたのは、実力はもちろんでしょうが、それと同じくらいに大きな要素は、テレビ番組への露出です。北村弁護士も、実力はもちろんでしょうが、やはりテレビ番組への出演で有名になった人です。どうしても売名行為という感じがぬぐえないです。

タレント弁護士(タレ弁)という呼称も、北村弁護士が出演していた「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)が発祥だといわれています。この番組で有名になった橋下徹さんは大阪府知事・大阪市長に、丸山和也さんは参議院議員になっています。選挙に出るには有名なほうが有利ですから、初めから政界へ行きたかったのかもしれませんね。

北村弁護士には政界入りの話はないですけど、ぼくは弁護士さんがタレントのようなことをするのは嫌いです。もちろん、職業選択の自由がありますから、禁止しろというわけではないです。単に、「弁護士としての実力があるのか?」という疑いの目で見てしまうというだけです。

昨日の佐村河内守さんの話のように、実力で評価されようとする前に、名前を売ろうとするのが嫌なのです。佐村河内守さんはその手段として、聾唖者を装うことにしたと疑われています(確証はまだありませんが)。タレント弁護士さんはその手段として、テレビ番組で名前を売ろうとするわけです。こういう部分が不健康に思えて、嫌なのです。

どうせだったら、ここまで弾けてくれたらいいのに。

守秘義務のある弁護士さんは、おしゃべりでないほうが安心

雪だるま

クライアントからしても、テレビでペラペラと話す弁護士さんは心配だと思います。ついうっかり、自分のことを話してしまうかもしれません。名前を出さなくても、「私の依頼人にこんな人がいまして…」などというタレ弁さんは、よく見かけます。例に出された人は、いい気分ではないはずです。

弁護士さんには、守秘義務があります。依頼人の秘密を明かしてはいけないのです。その義務を全うするためにリスクとなる行為は、なるべく避けるようにするべきです。その意味で、タレ弁さんは全く逆のことをしているので、信用できないんです。

ぼくらなんかよりも、ずっと頭脳明晰な弁護士さんたちなのですから、それくらいのリスク・マネジメントは当然できるはずです。タレ弁活動は、弁護士生命を脅かしかねないリスクを孕んでいるのに、それでもなぜやるかということを論理的に考えれば、答えは1つです。

おいしい結果が待っているからです。有名になれば弁護士事務所にわんさか人がきて儲かるとか、亀田ファミリーのようなお金持ちの有名人がお客につくとか、あるいは世の中を動かせる政治家になれるとか…。

ああ、やだな。気分が悪くなった。雪が降っていることだし、雪だるまでも作って気分転換してこよう!


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